横浜市 喫煙条例改正|市内全域で屋外公共空間が禁煙へ、議会で受動喫煙対策の実効性を質しました

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

2026年5月20日の本会議で質問する柏原すぐる

5月20日、第2回定例会の議案関連質疑において、市第6号議案「横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例の一部改正」について質疑を行いました。

今回の条例改正は、市内全域の屋外公共空間で喫煙が禁止される(2027年1月19日施行)という、極めて大きな政策転換です。

私はこれまでも、地元・鶴見区で鶴見駅西口喫煙所の密閉化や、入船公園における受動喫煙対策など、市民の皆様から寄せられる声をもとに、議会で継続的に取り上げてまいりました。今回の条例改正でも、現場での実効性を確認しました。

ただ、禁止するだけでは問題は解決しません。「規制と分煙環境のセット」で進めることが不可欠──そんな問題意識のもと、6点を質しました。


何が変わるのか──条例改正のポイント

今回の改正の柱は、大きく2つです。

  • 市内全域で、屋外の公共空間における喫煙を禁止
  • 現行の喫煙禁止地区(市内9地区(2026年8月1日に日吉駅周辺を追加))を、新たに「喫煙禁止重点地区」として位置づけ、過料2,000円の対象を維持

つまり、市内全域では「禁止」、重点地区では「禁止+過料」という二段構えの規制になります。

維新としても、受動喫煙対策の強化は重要な公衆衛生政策として支持できる方向性です。ただし、「禁止」と「実効性」は別の話。実際の現場でどう機能するかをしっかり見ていく必要があります。


議会で6点を質しました

① 既存の喫煙禁止地区での実効性確保

まず確認したのは、現在の喫煙禁止地区の運用がどうなっているかという点です。

市民から今も継続的に苦情が寄せられており、このまま全市へ規制を広げて大丈夫なのか──正直、疑念があります。例えば地元の鶴見駅周辺の喫煙禁止地区では、「同じ人が何度も喫煙している」という声を繰り返しいただき、私自身も確認しています。

市長の答弁は、「巡回指導の中で、喫煙行為に過料が科される場所であることを丁寧に説明して、喫煙を中止するよう指導を進めていく」「既存喫煙所の密閉化を進め、分煙環境を向上させるとともに、新たに作成するデジタルマップで喫煙所を案内し、喫煙所での喫煙を促していく」というものでした。

デジタルマップでの喫煙所案内は、新しい取り組みとして評価できます。ただし、巡回指導だけで実効性が確保できるかは引き続き注視が必要です。

② 鶴見駅西口喫煙所の整備の進捗

地元・鶴見駅西口喫煙所のリニューアル計画は、当初令和7年度中としていた予定が、令和8年度内へと1年後ろ倒しになっています。

「山中市長は鶴見駅西口の受動喫煙の実態をご存じか?」──率直にお聞きしました。

市長の答弁は、「所管局である資源循環局を中心に一生懸命やっているが、いろいろな諸調整が必要なもので、少し遅れている。現在、ご協力いただく事業者と、整備に向けた調整を進めており、8年度中の供用開始を目標に整備を進めていく」「先生はじめみなさまの声を受け止めて、しっかりと進めてまいりたい」というものでした。

市長から直接「みなさまの声を受け止めて」との言葉があった点は、一歩前進と受け止めています。

※鶴見駅西口喫煙所の経緯や遅延理由については、資源循環局の予算審査の記事でもお伝えしています。

③ なぜ市内全域では過料を科さないのか

全市で道路等の喫煙を禁止する一方、なぜ過料の適用を重点地区に限定するのか、副市長に理由を質しました。

副市長の答弁は、「受動喫煙がないきれいなまちの実現には、喫煙者の理解を得ながら、意識と行動の変容を促していくことが重要」「市内全域で過料を科すことは、行政負担の増大に加えて、喫煙行為そのものに罰則を科す制度と受け取られかねない」「過料の適用は人通りの多い駅周辺など影響の多い場所に限定し、実効性と市民の皆様の御理解の両立を図っていく」というものでした。

論理は理解できます。ただし、「禁止だけしてあとは自助努力」では、結局あちこちで違反喫煙が発生し、新たな受動喫煙を生む懸念もあります。後述する分煙環境の整備とセットで進めることが、なおさら重要です。

④ 民有地のパブリックな空間(公開空地等)の対策

ここが今回の議論で重要な論点の一つです。

質疑に先立ち、新たに設置された横浜駅西口の密閉型喫煙所と、「民間公衆喫煙所 設置等 補助金」制度を活用した第一号の公衆喫煙所を確認してきました。これらは良い取り組みです。しかしすぐ近くのビルでは、1階のコンビニ前に灰皿が置かれ、喫煙所として賑わっている現実もあります。

民有地だから手が出せない──ではなく、民有地でも公共性の高い空間(公開空地等)については、しっかり対策を進めるべきだと指摘しました。

市長の答弁は、「今回の条例改正では、道路等の公有地だけでなく、公開空地等においても、屋外の公共の場所に接し、路上喫煙の懸念が特にある場所については、管理者の合意を前提として、喫煙禁止の範囲を指定できることとしている」「歩道に面した店舗等が設置する灰皿やそこでの喫煙については、店舗等に受動喫煙防止の趣旨を丁寧にお伝えして、改善を働きかけるなどの取組を引き続き進めていく」というものでした。

「公開空地等でも喫煙禁止範囲を指定できる」という点が条例で担保された意味は大きいです。今後は実際にどれだけの場所で運用されるかが問われます。

⑤ 公民連携で誰でも使える喫煙所を増やすべき

「禁止」だけ広げても、喫煙者は別の場所へ流れ、新たな受動喫煙を生むだけです。受け皿となる分煙環境がないまま規制だけ強めれば、問題は「移動するだけ」──これが今回の質疑で最も訴えたかった点です。

市長の答弁は、「分煙環境の整備は、実効性の確保のため、スピード感を持って進めていく必要がある」「事業者からの寄附も含めて、本市が整備・運営する喫煙所のほかにも、新たに民間事業者が設置する喫煙所への補助や、商業施設等が運営する喫煙所に対して、一般にも開放してもらうよう働きかけを行っていく」「喫煙所の数自体を量的に増やしていきたい」というものでした。

「量的に増やす」という言葉が市長から明確に出てきた点は、大きな前進です。維新としても、規制だけでなく、民間活力を活用して受け皿を整えるという公民連携のアプローチは、まさに政策の方向性として支持できるものです。

⑥ 既存飲食店における独自規制の検討

最後に、飲食店における受動喫煙対策について質しました。

神奈川県は国に先駆けて受動喫煙防止条例を制定した経緯があります。現在、国の制度では既存の小規模飲食店について、資本金5,000万円以下かつ客席面積100㎡以下などの条件を満たせば、「喫煙可能室設置店」として喫煙営業を継続できる経過措置が設けられています。

これに対し、大阪府は2025年4月の大阪・関西万博開幕に合わせて、客席面積30㎡を超える飲食店を原則屋内禁煙とする規制を施行しました。

既存の小規模飲食店で認められている経過措置についても、市民の受動喫煙を防ぐ観点から、独自規制の検討を求めました。

市民ニーズと現状のギャップは明らかです。

市長の答弁は、「受動喫煙への対策は大変重要だが、市民生活や事業活動への影響との調和も不可欠」「独自規制の導入をまずは前提とするのではなく、本市として分煙環境の整備を進めていきたい」「市民や事業者の皆様と丁寧に合意形成を図りながら、諸調整を進めていきたい」というものでした。

率直に言えば、私は一歩踏み込んだ姿勢を期待していたところです。国を超えて先んじて受動喫煙対策を進めてきた神奈川県・横浜市らしさを、もう一段示していただきたい。引き続き、議会の場で粘り強く提言してまいります。


「禁止」と「分煙環境整備」をセットで

改めて整理すると、今回の条例改正の方向性は以下の通りです。

  • 市内全域で屋外公共空間の喫煙を禁止
  • 現在の9地区を「喫煙禁止重点地区」として過料の対象を維持
  • 公開空地等でも管理者合意のもと喫煙禁止範囲を指定可能に
  • 既存喫煙所の密閉化、デジタルマップでの喫煙所案内
  • 民間公衆喫煙所への補助、商業施設の喫煙所の一般開放を働きかけ

評価できる方向性が多く含まれている一方で、実効性の確保、分煙環境の量的拡大、民有地での運用など、これからの運用に課題が残ります。

維新としては、「規制と分煙環境のセット」「公民連携によるスピーディーな分煙環境整備」「データに基づく実効性検証」の3点を柱に、今後も議会で粘り強く提言してまいります。


おわりに──市民の声が政策を動かす

受動喫煙の問題は、毎日の生活に直結する課題です。鶴見駅西口の喫煙所、入船公園周辺、駅前の路上、飲食店──皆様の日々の「困った」「なんとかしてほしい」という声が、こうして条例改正という形で市全体の政策へとつながっていきます。

地味ですが、市民の声をきちんと拾い上げ、議会で取り上げ、政策へとつなげていく──これこそが議員の本分だと考えています。

気になる点や受動喫煙でお困りの場所がありましたら、遠慮なくお寄せください。

2026年10月29日更新:施行日は2027年1月19日、現在の喫煙禁止地区は9地区です。禁止対象は道路・河川・駅前広場などで、指定された喫煙所を除きます。私有地を一律に禁止する制度ではなく、公開空地等は土地管理者の合意により指定する場合があります。質疑・答弁の記述は2026年5月20日時点のものです。

出典:横浜市の制度案内・喫煙所マップ/5月20日の公式録画/大阪府の面積要件。確認日:2026年10月29日。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団

柏原すぐる

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