横浜市 公金運用の高度化を|金利上昇局面で運用益3億円を目標に、議会で質しました

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

2026年2月10日の本会議で質問する柏原すぐる

2月10日の第1回定例会 議案関連質疑で、市第137号議案(補正予算)に関連して、横浜市の公金運用の高度化について、山中市長に質しました。

「公金運用」──少し聞きなれない言葉かもしれませんが、これは市が保有する基金や現金を、どう安全に、かつ有利に運用していくかという、財政運営の根幹に関わるテーマです。

日本経済がゼロ金利の時代を抜け、金利のある世界に戻りつつあるなか、自治体にとっても公金運用はこれまで以上に重要なテーマとなっています。本稿では、議会でのやり取りをできるだけ分かりやすくご報告します。


なぜ今、公金運用を取り上げたのか

補正予算の審議では、資金の安全性と流動性を保ちながら、運用益を市民サービスの財源として確保するための取組と体制を確認しました。

維新としても、「行政の高度化・効率化により、市民負担を増やさずに財源を生み出す」というアプローチは、一貫して重視してきた政策の方向性です。


令和6年度末の基金──預金が約98%、有価証券は2%未満

まず、横浜市の公金運用の現状を数字で押さえておきます。

令和6年度決算の「財産に関する調書」によれば、預金と有価証券の合計は約2,765億円。その内訳は、

  • 預金:約98%
  • 有価証券:2%未満

という内訳です。運用割合だけで評価せず、基金の目的と必要な支払いに応じた運用期間の設定が重要です。

もちろん、公金は「安全性と流動性の確保」が絶対の大前提です。株や投資信託でリスクを取って運用する話ではありません。ここで論点になっているのは、あくまで「安全性を保ったうえで、取り得る範囲の収益機会をどれだけ確実に捉えるか」という、地味だけれど大切な財政運営の話です。


議会で2点を質しました

① 手元流動性を確保したうえで、運用可能額・運用期間の見直しを

横浜市は会計規模が大きく、日々の資金移動も巨額です。したがって、資金繰り(手元流動性の確保)は最優先です。

そのうえで、日々・月次・年度内の資金需要をより精緻に分析すれば、「これは短期でしか動かせない」「これは中長期で運用できる」といった見極めが、より正確にできるようになるはずです。

質問の趣旨は、「手元流動性の確保を前提に、資金需要の分析を精緻化し、運用可能額や運用期間の設定を見直すことで、運用益の拡大を図る考えはないか」というものです。

② 野心的な目標設定と、専門性ある体制への投資

運用の高度化には、専門性の継続確保が不可欠です。金融市場の分析、リスク管理、商品選定──これらは片手間でできる仕事ではありません。

だからこそ、人材育成・配置に加え、外部知見の活用など、専門性を支える体制整備が必要になります。

質問の趣旨は、「運用益について野心的な目標を定め、費用対効果の観点から専門性ある体制へより積極的に投資すべき」というものです。


市長答弁──令和8年度は運用益3億円を目標に

山中市長からは、以下の答弁がありました。

近年、金利が上昇したこと、安定的な基金残高が確保できたことなどを踏まえ、これまで歳計現金に資金不足を起こさないよう内部運用を行ってきた減債基金について、令和6年度から公債による外部運用を開始したとのこと。

そのうえで、「運用益が貴重な財源確保策の一つであると捉え、安全性に留意しながら運用益の拡大を目指してまいります」との考えが示されました。

そして、目標設定と体制構築について、市長は次のように答えました。

「令和8年度についてはまず3億円を目標に定め、今後さらなる運用益の拡大を目指してまいります」 「専門的知見の蓄積や人材育成に引き続き取り組むとともに、外部人材活用などの体制構築については今後研究してまいります」

「3億円」という具体的な数字が答弁で示されたことは、大きな一歩です。目標があってこそ、達成度を検証し、改善につなげることができます。


私の所感──「攻めの財政運営」を維新として推進

改めて整理すると、今回の質疑で確認できたのは、

  • 横浜市も金利上昇局面を捉え、減債基金の外部運用を開始
  • 令和8年度は運用益3億円を目標に
  • 専門性ある体制構築については今後研究

という3点です。

3億円という目標が示されたことは、率直に評価したいと思います。一方で、令和8年度の3億円を「終点」にしてはいけません。これはあくまで議論の入り口です。

横浜市は将来的に1,752億円規模の収支差(2022年1月更新の長期財政推計における2065年度・人口中位推計)が見込まれ、市民に負担増や行政サービスの見直しをお願いせざるを得ない財政状況です。だからこそ、まず市が自らの資産運用を高度化し、1円でも多く生み出していく責任があります。

維新としては、以下の3点を柱に、引き続き議会の場で提言してまいります。

  • 金融のプロフェッショナルを含む専門性ある体制の構築(外部人材の積極活用)
  • 費用対効果を明確にした、野心的な運用益目標の段階的引き上げ
  • 運用実績・リスク管理状況の透明性の確保(議会・市民への丁寧な報告)

「攻めの財政運営」は、市民負担を増やさずに財源を生み出すもっとも建設的な行政改革の一つです。地味なテーマですが、その効果は積み重ねれば大きなものになります。


おわりに──地味だけど、市民負担を左右する大切な議論

公金運用は、決して派手なテーマではありません。しかし、運用益は市民サービスを支える財源を確保する効果を持ちます。同じ2,700億円の資産でも、運用の仕方次第で毎年数億円単位の差が生まれる可能性があるのです。

金利のある世界に戻った今こそ、横浜市が自らの財産をどう活かすか。引き続き確認してまいります。

2026年10月29日補足:本稿は2026年2月10日の質疑報告です。3億円は令和8年度の減債基金運用による財源創出の目標であり、達成実績ではありません。約2,765億円は令和6年度末の基金の預金と有価証券の合計で、市の公金全体ではありません。

出典:2月10日の市会公式録画/令和6年度決算審査意見書(財産に関する調書)/長期財政推計(2022年1月)。確認日:2026年10月29日。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団

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