横浜の「容積率・高さ制限」が変わる。大規模な土地利用規制の見直しへ

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

9月14日の横浜市会・まちづくり委員会で、今後の横浜のまちづくりに大きな影響を与える「土地利用誘導戦略(素案)」が示されました。

今回の内容は、容積率や高さ制限、用途、駐車場など、これまでの土地利用規制を幅広く見直し、民間による建替えや開発、投資を促していこうというものです。もちろん、その先には豊かな暮らし、次世代へ繋げるより良い街のビジョンがあります。

土地を所有されている方はもちろん、不動産事業者、設計者、建設会社、金融機関など、不動産に関わる多くの皆さんに関係する重要な内容ですので、ぜひチェックをお願いします。

まず「土地利用誘導戦略(素案)」そのものをご覧ください

今回示された素案では、駅周辺の容積率緩和、宿泊施設、防災、駐車場、横浜駅・新横浜・関内・京浜臨海部など、かなり幅広い制度見直しが示されています。

特に土地所有者、不動産、設計、建設、金融などの専門家の皆様には、この記事を読む以上に、ぜひ資料そのものをくまなくご覧いただきたいと思います。

今後の建替えや土地活用、事業計画そのものに関わる可能性があります。

▶ 9月14日 まちづくり委員会「土地利用誘導戦略(素案)」資料

「規制」だけではなく、民間投資を「誘導」する都市へ

横浜市は今回の戦略について、時代に対応した土地利用制度の見直しを進め、民間企業の技術力やアイデア、資金力を最大限に生かせる環境を創り出すとしています。

私は以前から、人口減少時代の横浜では、単に開発を規制するだけではなく、

「この地域には、どのような機能を集めたいのか」

を行政が示し、その実現につながる民間投資を後押しする必要があると議会でも取り上げてきました。

今回、その方向性がかなり具体的になってきました。

具体的に何が変わるのか

今回の素案では、大きく2つの戦略が示されています。

一つは、鉄道駅周辺などを中心として土地利用制度を全市的に見直すもの。

もう一つは、横浜駅、新横浜駅、関内・関外、京浜臨海部など、それぞれの地域特性に合わせて制度を見直すものです。

例えば、

・鉄道駅周辺で住宅や生活利便施設の容積率を緩和
・宿泊施設の容積率を指定容積率の最大1.5倍まで緩和
・浸水リスクのある地域で、防災性を高めた建物の高さ制限等を緩和
・共同住宅などの駐車場附置義務を見直し
・横浜駅、新横浜駅周辺では大幅な高度利用を促進
・京浜臨海部では用途、容積率、高さ、緑化要件などを見直す

といった方向性です。

ただ建物を大きくすることが目的ではありません。

地域に必要な商業、業務、研究開発、防災、緑化、歩行空間などを誘導し、その公共貢献の度合いに応じて規制を緩和するという考え方が大きなポイントです。

詳細は横浜市の資料をご覧いただければ分かりますが、一例として鉄道駅周辺への居住誘導は下図のイメージです。

委員会で確認① いつから使える制度になるのか?

まず確認したのが、実施までのロードマップです。

土地所有者が建替えを検討する。

不動産会社が事業計画をつくる。

設計者が建物のボリュームを検討する。

金融機関が事業性を判断する。融資の判断を行う。

そうした場面では、

「将来緩和されます」だけではなく、「いつから使えるのか」が極めて重要です。

横浜市からは、素案の最後に想定スケジュールを示しており、制度変更が可能なものから順次実施していくとの説明がありました。

今回の素案は、2026年9月に公表。

9月から10月に市民意見募集、12月に案を公表し、2027年3月の策定を予定しています。

資料には、「それぞれの土地利用制度を順次改正していく」との表現がありますが、制度によって実施時期は異なり、宿泊施設の容積率緩和方針のように比較的早く進めるものもあれば、用途地域や高度地区の変更など、数年かけて進めるかたちです。

建築確認の時点では、当然、その緩和制度が成立している必要があります。

私は、

できる制度から早く進めなければ、規制緩和の効果が出ない。スピード感を持って進めてほしい

と求めました。

素案の36ページより抜粋

② 宿泊施設の規制緩和――鶴見にも十分可能性があります

今回、宿泊施設についても大きな見直しが示されています。

対象エリアを**「都心部の一部」から「都心部全体及び主要駅周辺」まで拡大し、一定の場合には、宿泊施設の容積率を指定容積率の最大1.5倍**まで緩和する方針です。

これは、鶴見にとっても無関係ではありません。

鶴見駅周辺には、以前は旅館やお風呂なども多くあったと聞いています。

また鶴見は、横浜駅にも近く、東京都心や羽田空港方面へのアクセスにも恵まれています。

こうした地の利を考えれば、横浜市内の需要だけではなく、東京方面の宿泊需要を受け止める立地としても、今後、鶴見駅周辺などに新たな宿泊施設が立地することは十分考えられます。

一方で、私は委員会で、もう一つ重要な点を指摘しました。

宿泊需要を喚起するのであれば、それを支える行政サービスや都市インフラも必要になります。

宿泊者や来街者が増えれば、交通、道路、まちの環境整備、ごみ処理など、様々な行政需要も増えていきます。

宿泊施設の立地を促し、観光客を呼び込み、地域経済を活性化させることには大きな意義があります。

だからこそ、

観光需要を喚起する政策と、それを支える行政サービスやインフラ、さらに宿泊税などの財源確保までセットで考えてほしい

という趣旨で確認しました。

横浜市からも、観光客を呼び込む取組などを含めて、今後パッケージとして示していく考えが示されました。

単に「ホテルを建てやすくする」だけではなく、

横浜に泊まり、歩き、食べ、消費してもらう。
そして、その都市活動を支える財源もしっかり確保する。

そこまで含めた政策として進める必要があると考えています。

現状の「宿泊施設の容積率緩和方針」がこちらで、年度内には制度改正する方針とのことから、今すでに事業検討している物件対象になる可能性があります。

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/sogotyousei/hotel/hotelhoushin.html

③ 浸水リスクのある地域では「安全にするための規制緩和」

鶴見区を含め、横浜市内には浸水リスクを抱える地域が多くあります。

今回の素案では、洪水浸水想定区域などを対象として、浸水に強い建築物を誘導するため、高さ制限や容積率を緩和する考え方が示されました。

例えば、

・住宅を想定浸水深より高い位置に設ける
・機械室を浸水深より上に配置する
・避難スペースを設ける
・地域共用の防災倉庫を設置する

といった取組です。

私は委員会で、

「これは大規模な再開発だけが対象なのか。一般的な住宅や共同住宅も対象になり得るのか」

と確認しました。

横浜市からは、高さ20m程度まで建築できる高度地区なども対象として想定しており、例えば1階部分に住戸を設けず、その分を上階に積み増すことができるような制度を検討しているとの説明がありました

今回は、戸建ての一般住宅を対象とするものではありませんが、今後の検討を期待したいと思います。

④ 横浜駅周辺――「同じような高層ビルばかり」にしない

横浜駅周辺では、さらに踏み込んだ高度利用が示されています。

特にセンターゾーンでは、指定容積率の引上げと地区計画や都市再生特別地区などを組み合わせ、容積率1,300%以上を可能とする方向性です。

ただ私は、「どこに行っても同じようなビルが並ぶまちにはしてほしくない」と申し上げました。

横浜市からは、ウォーカブルな空間づくりなど、開発による貢献項目を明確にし、その内容に応じて容積率等を緩和していく考えが示されました。

容積率を増やすこと自体が目的ではありません。

人が歩く。滞在する。働く。買い物をする。

そうした都市の価値を高める開発につなげることが重要です。

鶴見でも既に起きている「1階が住戸になる」問題

私は以前、都市整備局の局別審査でも、鶴見区の実例を取り上げています。

以前は商店街に面して店舗があった建物が建て替わり、1階まで住戸になるアパートやマンションへ建て替える例が増えています。

個々の建築物としては適法でも、それが積み重なると、駅周辺の通りから店舗など街に貢献する機能が減り、外に開かれた空間がなくなっていきます。

金融機関の融資条件として、空室リスク低減として住戸となるプランを求められるというケースもあるでしょう。

住宅を増やすことも、もちろん重要です。

しかし、「暮らす」だけでなく、「働く」「買う」「歩く」「過ごす」機能が混ざっているからこそ、まちは魅力的になります。

今回の土地利用誘導戦略では、地域特性を踏まえて誘導する用途や公共貢献を定め、それに応じて規制を緩和する方向性が示されています。

私がこれまで議会で求めてきた考え方とも重なるものです。

鶴見区の建替えと、1階店舗について取り上げた質疑

以前、鶴見区で建替えによって1階店舗が住戸へ変わっている現状を取り上げました。

土地利用誘導戦略についての過去の質疑

土地利用誘導戦略そのものについても、議会で取り上げてきました。

「規制する都市」から「誘導する都市」へ

今回の土地利用誘導戦略で最も重要なのは、この考え方の転換だと思っています。

これまでの都市計画は、人口急増や無秩序な開発への対応として、

「何を建ててはいけないか」という規制が大きな役割を果たしてきました。

しかし、これからの人口減少時代、民間投資が自然に起き続けるとは限りません。

だからこそ、

どこに住んでもらうのか。
どこに働く場所をつくるのか。
どこに商業や宿泊施設を誘導するのか。
どのような防災機能や公共空間を求めるのか。

横浜市が方向性を示し、その実現に資する投資については規制を緩和する。

「規制」から「誘導」へ。

横浜が一極集中ではなく、市内それぞれの地域の特性を生かしながら分散型で成長していく上でも、大きな一歩だと考えています。

今後、市民意見募集や住民への説明も

今回示されたものは、まだ「素案」です。

今後は、

2026年9~10月 市民意見募集
2026年12月 案を公表
2027年3月 戦略策定
その後 各土地利用制度を順次改正

という予定になっています。

また、横浜市として、説明する機会も予定されています。

土地所有者、不動産事業者、設計者、建設会社、金融機関などの皆さんにとっては、今後の土地の価値や建替え・開発の可能性にも関わる重要な動きです。

具体的な制度改正や詳細の対象地域が明らかになってくれば、鶴見駅周辺をはじめ、地域ごとに何が変わるのかについても、引き続き確認し、分かりやすくお伝えしていきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団

柏原すぐる

LINE公式アカウントで情報発信やご意見・問い合わせの受付を行っています。

ぜひお友達に追加してみてください。


友だち追加

Instagram

X(旧Twitter)

へのフォローもよろしくお願いします。

日頃は、桜木町駅すぐそばにある横浜市役所6階にある議員室にいます。アクセスはこちら

気軽にコンタクトくださいませ。

柏原すぐる公式ホームページ

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

キャプチャを読み込んでいます...