【生見尾踏切】12月7日午前1時に廃止へ 安全対策・迂回・新たな人道橋について委員会で確認~横浜市鶴見区生麦~
こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

9月14日に開かれた横浜市会・まちづくり常任委員会で、鶴見区生麦3丁目にある「生見尾踏切」を2026年12月7日(月)午前1時、6日の終電後をもって廃止することが横浜市から報告されました。
生見尾踏切では、2013年以降だけでも5件の死亡事故が発生しています。
横浜市は「市民の安全・安心を最優先にする」として踏切を廃止し、その代替施設として新たなこ線人道橋を整備する方針です。
一方、新しいこ線人道橋の完成目標は2033年度。踏切廃止から完成までには期間があります。
そこで今回の委員会では、これまでの経緯、なぜもっと早くできなかったのか、廃止後の地域への影響、自転車やベビーカー利用者、災害時の避難、商店街への支援、新しい人道橋の事業費などについて確認しました。
委員会資料
まず、今回2026年9月14日のまちづくり常任委員会で横浜市道路・交通政策局から提出された資料を掲載します。
「生見尾踏切の安全対策の進め方について」
生見尾踏切とは
生見尾踏切は、京急生麦駅の近くにあり、JRの複数の線路を横断する踏切です。
「生見尾(電車線)踏切」と「生見尾(旅客線)踏切」、その間にある退避スペースを含めると、全長は約45メートルあります。
横浜市の資料によると、ピーク時の遮断時間は、生見尾(電車線)踏切が44.3分、生見尾(旅客線)踏切が24.4分。電車線側はいわゆる「開かずの踏切」です。
1日の交通量は、歩行者2,418人、自転車1,249台、自動車257台、自動二輪車179台。
一方、隣接する既設こ線人道橋は、1日11,403人の歩行者が利用しています。
ただし、現在のこ線人道橋は中央部に階段があり、車いす、ベビーカー、自転車などでは利用しづらく、そのため踏切を渡らざるを得ない方がいることも大きな課題でした。

約24年間で列車停止2,088件、死亡事故5件
今回示された資料には、改めて非常に重い数字が掲載されています。
2002年4月から2025年12月までの約24年間に、線路内への人の立入りや車両の立ち往生などを理由とする列車停止は2,088件。
約4日に1回の頻度です。
また、踏切上で列車と接触した事故は7件。このうち5件が死亡事故で、市内にあるJR東日本の踏切の中では最多とされています。
死亡事故は、2013年8月、2016年12月、2022年11月、2024年4月、2024年9月に発生しています。
まず確認したのは「今回が正式な廃止時期の初発表なのか」
委員会では最初に、今回の「12月7日午前1時に廃止」という具体的な方針が、横浜市として初めて示されたものなのか、またこれまで議会へどのような報告が行われてきたのかを確認しました。
生見尾踏切をめぐっては、2013年の死亡事故をきっかけに、本格的な安全対策の検討が始まっています。
横浜市は早期に踏切を廃止し、代替施設として新しいこ線人道橋を整備する方向性を持ちながらも、地域にはさまざまな意見があり、長期間にわたり調整が続いてきました。
2013年の事故後には警備員が配置され、その後、警備時間の延長などを実施。2021年には既設こ線人道橋にエレベーターも整備されました。
しかし、その後も2022年、2024年と死亡事故が続いています。
「もっと早くできなかったのか」
私が今回、特に問題意識を持って確認したのがこの点です。
2021年に既設こ線人道橋へエレベーターを整備した段階など、もっと早く踏切廃止へ進むことはできなかったのか。
横浜市からは、これまで地元への説明や調整を重ね、できる限り取り組んできたという趣旨の答弁がありました。
実際、2013年の事故以降、横浜市は地元自治会、商店街、踏切利用者などに対し、60回以上、延べ900人以上に説明や意見交換を行っています。
地域の皆さんに丁寧に説明し、納得を得ながら進めることはもちろん重要です。
一方で、私は、
「地域との対話の密度をさらに高め、もっと早く事業を進めることはできなかったのか」
という疑問が残ることを伝えました。
行政には丁寧さが必要です。
しかし、重大事故が繰り返され、人命に関わる問題については、賛否があったとしても、時には政治・行政が責任を持って判断しなければならない局面があります。
私は、生見尾踏切はその最たる事例の一つだったのではないかと考えています。
地域の懸念はどう解消するのか
一方、踏切を廃止すればすべてが解決するわけではありません。
これまで地域からは、利便性の低下、商店街の衰退や地域分断、災害時の避難、朝夕の人道橋の混雑などへの懸念が示されてきました。
今年7月には現地と鶴見区役所で説明会が行われ、踏切廃止に理解を示す意見が多く寄せられ、地域や利用者の理解は広がっているとのことが、アンケート結果として示されました。

とはいえ、実際に生活動線が変わる方々への対応はこれからが重要です。
商店街への影響について
踏切に隣接する2つの商店街についても質問しました。
横浜市は、地域の意見を聞きながら、鶴見区や関係局と連携し、商店街への支援策を検討するとしています。
委員会では、商店街の取組に対する経費面での支援や、専門家派遣なども含め、必要な対応を検討していく考えが示されました。
安全対策を進める一方で、踏切廃止によって人の流れが変わり、地域の商業や交流に影響が出る可能性もあります。
廃止後の状況をしっかり見ながら、必要な支援を行うことが重要です。ここは私自身も注視してい参ります。
災害時の避難はどうするのか
地域からは、津波など災害時に踏切がなくなることで避難に支障が出るのではないか、という懸念もあります。
委員会では、災害時は基本的に垂直避難も活用すること、今後も生麦小学校やキリンビールの施設なども避難先としてことについて説明がありました。
また、災害時にはそもそも踏切が閉まったままとなる可能性があります。
踏切が使えることを前提に避難を考えるのではなく、鶴見区とも連携しながら、避難場所や避難ルートを改めて地域に周知していく必要があります。
12月の廃止までに、既設こ線人道橋をスロープ化
ここは今回の報告で非常に重要なポイントです。
新しいこ線人道橋の完成は2033年度の予定ですが、その完成を待ってから踏切を廃止するわけではありません。
横浜市は、2026年11月までに現在のこ線人道橋中央部にある階段をスロープ化し、バリアフリーの通行ルートを確保したうえで、12月7日に踏切を廃止します。
車いすやベビーカーなど、これまで階段が障壁となっていた方についても、踏切を通らず線路を越えられるようにします。
自転車はどうなる?子どもを乗せた自転車への配慮を要望
特に気になるのが自転車です。
生見尾踏切は1日1,249台の自転車が利用しています。
中には、小さなお子さんを前後に乗せた自転車で踏切を渡っている方もいます。
遠くまで迂回するのは大きな負担です。
そこで、既存のこ線人道橋を自転車を押して通行できるのかを確認するとともに、スロープ化工事を行う際には、階段や足元部分を含め、できる限り安全性を高めるよう求めました。(既存のこ線橋がそうですが、今後も)
また、踏切廃止後には既存のこ線人道橋へ利用者が移るため、混雑についても確認しました。
委員会では、ピーク時に現在の人道橋利用者に踏切からの利用者が加わることを想定した上で、国土交通省の「大規模開発地区関連交通計画マニュアル」に照らして検証しており、道路としての混雑や快適性は「B」程度の水準になるとの説明がありました。
とはいえ、計算上問題がないと言っても、実際には雨天時などで足元も悪く平時よりは危険が伴うことも想定されますので、廃止された後の実際の状況が重要です。特に朝夕、通学時間帯などは、現場を継続して見ていきたいと思います。
踏切廃止後はどうなるのか
12月7日に踏切を廃止した後は、両側にフェンスを設置して通行できない状態にし、遮断機などの鉄道施設を撤去していきます。
2027年度までに地下埋設物の移設や鉄道施設の撤去を行い、その後、新たなこ線人道橋の整備に移っていきます。
岸谷小学校の児童については、現在も基本的に既設こ線人道橋を利用しており、踏切廃止によって通学路を一から切り替えるということはありません。
迂回する場合はどこを通るのか
既設こ線人道橋を利用しない場合の周辺の横断ルートについても確認しました。
鶴見駅方面へ約400メートルの場所にある柳町人道橋、横浜・新子安方面へ約800メートルの場所にある滝坂踏切などが周辺の横断ルートになります。
ただし、日常的に生見尾踏切を使っている方にとって、数百メートルの迂回は決して小さな負担ではありません。
だからこそ、既設こ線人道橋の安全性と使いやすさを可能な限り高めておく必要があります。
新しいこ線人道橋は幅4メートル、南北にエレベーター

新たに整備するこ線人道橋は、現在の計画では幅員4.0メートル。
斜路付き階段を設け、南北にエレベーターを1基ずつ設置します。
エレベーターは、自転車を3台乗せられる規模を想定しています。
歩行者、高齢者、車いす、ベビーカー、自転車など、さまざまな利用者が安全に通行できる施設を目指します。
完成目標は2033年度です。
約7年という期間は決して短くありません。
踏切廃止後の地域分断の影響をできる限り短くするためにも、可能な限り工事を早く進めることを求めていきます。
新しい人道橋の事業費は約45億円
委員会では事業費についても確認しました。
現時点で、新しいこ線人道橋の事業費の見込みは約45億円との答弁でした。
また、全額を横浜市が一般財源で負担するものではなく、財源については、国が3分の1、JRが3分の1、横浜市が3分の1という負担を想定しているとの説明でした。
令和8年度では現在約1.5億円かけて設計を進めています。
大きな事業ですので、工事の進捗とともに事業費についても確認していきます。
12月7日の廃止を知らずに現地へ来る人を減らすために
踏切は長年利用されてきた生活動線です。
廃止を知らずに、これまで通り現地まで来てしまう方が多数出れば、大きな混乱につながります。
そのため、地元への周知についてもしっかり行うよう求めました。
横浜市は、現地での案内、自治会等を通じた回覧、周辺住民へのポスティング、ホームページ、「広報よこはま」などを活用して周知を行うとしています。
特に普段から踏切を利用している方に届く周知が重要です。
2013年から13年。もっと早く決断できなかったのかという思いは残ります
生見尾踏切では、2013年の死亡事故以降、安全対策が繰り返されてきました。
警備員の配置、警備時間の延長、既設こ線人道橋へのエレベーター整備、路面表示、看板設置など、多くの対策が実施されています。
それでも死亡事故は繰り返されました。
地域の皆さんへの説明を重ねることは大切です。
その一方で、今回の委員会質疑を通じても、
もっと密度高く地域と対話し、もっと早く意思決定することはできなかったのか。
という思いは残っています。
行政の意思決定を先送りすることで、その間にも事故のリスクは残り続けます。
賛否があるからこそ丁寧に説明する。
しかし、どこかでは責任を持って決断する。
今回の生見尾踏切の経過は、横浜市の行政運営を考える上でも重要な事例だと思います。
12月7日の踏切廃止は大きな節目ですが、ゴールではありません。
踏切廃止後の混雑、安全性、商店街への影響、災害時の対応、そして2033年度完成を目指す新たなこ線人道橋の整備まで、引き続き現場を確認していきます。
今後の予定

2026年11月
既設こ線人道橋中央部の階段をスロープ化し、バリアフリールートを確保。
2026年12月7日 午前1時
生見尾踏切を廃止。
2027年度まで
地下埋設物の移設、鉄道施設の撤去。
2028年度以降
新たなこ線人道橋の整備工事。
2033年度
新たなこ線人道橋の完成を目指します。
柏原すぐるも、継続して生見尾踏切を追ってきました
今回初めて生見尾踏切を取り上げたわけではありません。
現場へ足を運び、議会や行政への確認、ブログや動画での情報発信を続けてきました。
2024年8月|YouTubeで生見尾踏切を現地取材
2024年8月には、生麦駅周辺と生見尾踏切を実際に歩き、現場取材を行いました。
動画では、事故が繰り返される一方で、踏切廃止と新たな人道橋の整備が長期間実現していない状況を取り上げ、「結論が先延ばしになることが、課題解決を難しくする場合もある」という問題意識もお伝えしています。
2026年4月|既設こ線人道橋の工事状況を確認
今年4月には、既設こ線人道橋の補修工事によって通行スペースが狭くなっているという声を受け、現場の状況や工事の目的、今後の見通しを横浜市に確認しました。
特に、工事中の通路が狭いことで、かえって踏切を利用しようとする方が増えないかという安全面についても取り上げました。
生見尾踏切の人道橋(こ線橋)|補修工事中の状況と今後の見通しについて
2026年6月|住民説明会で出された声を詳しく整理
6月には、3月に開催された住民説明会の内容をもとに、生見尾踏切廃止をめぐる論点をブログで整理しました。
安全性だけではなく、地域分断、商店街、自転車やベビーカー、災害時の避難など、住民の皆さんから寄せられている懸念と横浜市の回答をできる限り詳しく紹介しています。
生見尾踏切の安全対策|廃止と新たな跨線人道橋の整備、住民説明会で寄せられた声を整理しました
今回、ようやく「2026年12月7日午前1時に廃止する」という具体的な日程が示されました。
今後も、単に市から報告を受けるだけでなく、実際の現場がどう変わるのかを確認しながら、必要な改善を求めていきます。
生見尾踏切について、廃止後に気になることや、実際に利用する中でお気づきの点がありましたら、ぜひお寄せください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
日本維新の会横浜市会議員団
柏原すぐる

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