JR鶴見駅に中距離電車を停めたい|京浜臨海部の玄関口にふさわしい交通機能を議会で質しました

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

2025年度9月~10月にかけて開催された横浜市会の決算第一特別委員会(局別審査・都市整備局)で、JR鶴見駅への中距離電車(相鉄・JR直通線、東海道線)の停車について質疑を行いました。

鶴見駅のホームに立っていると、目の前を東海道線や相鉄JR直通線がスーッと通り過ぎていきます。「なぜ停まらないのか?」──地元の方であれば、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

この問題は、単に「駅に停めてほしい」という話ではありません。京浜臨海部の玄関口としての鶴見駅をどう位置づけ、横浜市としてどんな投資判断をしていくのかという、まちづくりの根本に関わる論点です。本稿では、議会でのやり取りをご報告します。


なぜ今、この議論が重要なのか

鶴見駅は、京浜東北線と鶴見線が接続するターミナル駅であり、京浜臨海部で働く多くの方にとっての玄関口です。山中市長も一昨年(令和5年)の議会で、「鶴見駅は主要な生活拠点であるとともに京浜臨海部の玄関口としての役割を担っている」「相鉄JR直通線の停車が実現すれば、東京都心方面とのつながりが強化されるなど、その重要性が一層高まる」と答弁されています。

つまり、鶴見駅への中距離電車停車は、市長自身も重要性を認める政策テーマとして位置づけられている、ということです。

維新としても、人口減少時代だからこそ、成長の核となる拠点には戦略的に投資し、都市の競争力を高めるべきという立場をとってきました。今回の議論は、まさにその哲学に直結するテーマです。


議会で4点を質しました

① 京浜臨海部の玄関口としての鶴見駅の役割と機能

まず、鶴見駅の現在の役割と機能について、改めて確認しました。

交通政策部長の答弁は、「鶴見駅は、京浜臨海部を面的にカバーする鶴見線と、広域的な鉄道路線である京浜東北線が接続するとともに、多くの路線バスや企業のシャトルバスが発着するなど、交通結節点としての役割を担っている」というものでした。

加えて、多様な交通との乗り換えができるターミナル機能、生活利便施設や公共施設等の集積など、京浜臨海部の就業者にとって重要な拠点駅として位置づけられていることが確認されました。

これは事実として極めて重要なポイントです。「京浜臨海部の玄関口」という立ち位置が公式に答弁で示されている以上、それにふさわしい機能をきちんと整えていく責任が、横浜市にはあるはずです。

② 東京都心方面への接続強化による市民のベネフィット

次に、相鉄・JR直通線の停車が実現した場合、市民にとってどのようなベネフィットがあるのかを質しました。

局長からは、「鶴見駅から東京都心方面への通勤・通学の移動時間短縮や、京浜東北線の混雑緩和などの効果が見込まれる」との答弁がありました。

通勤・通学の時間短縮は、毎日の生活の質に直結します。さらに、京浜東北線の混雑緩和は、鶴見駅利用者だけでなく、沿線全体の通勤環境の改善にもつながるはずです。「鶴見区の話」にとどまらず、「横浜市の南北軸の交通改善」という広がりを持つ政策テーマだと受け止めています。

③ 実現に向けた課題

良いことばかりではありません。当然、実現には課題があります。

交通政策部長からは、3つの課題が示されました。

  • 線路の移設とホームの新設が必要:相鉄・JR直通線は貨物線の線路を利用しているため、停車させるには線路の移設とホームの新設が必要
  • 貨物輸送ダイヤへの影響分析:全国へつながる貨物輸送ダイヤへの影響を分析し、支障のないことを確認する必要がある
  • 多額な財源確保:JR東日本からは全額自治体の費用負担が求められており、財源確保が課題

率直に申し上げて、特に「全額自治体負担」というのは、極めて重い条件です。これをどう乗り越えるかは、横浜市としての覚悟が問われる部分でもあります。

ホーム設置位置検討イメージ図(平成27年度の調査結果より)

④ 費用便益分析(B/C)を改めて算出すべき

ここが今回の質疑の最大の論点です。

平成27年(2015年)に横浜市が検討した費用便益分析(B/C)では、整備コストを300億円として、4つのケースで試算が行われました。

ケース神奈川東部方面線 乗り入れ方面横浜環状鉄道(日吉〜鶴見)B/C
1新宿方面×1.68
2新宿方面1.63
3品川方面×1.47
4品川方面1.46

すべてのケースでB/Cは1.0を超えており、投資効果としては十分に成立する水準です。

ところが、この試算には大きな問題があります。コスト300億円の根拠となった概々算工事費は、東日本大震災前の類似工事を参考にしたもので、労務費・材料費の高騰分が考慮されていないのです。

この10年で建設費は大幅に上昇しています。一方で、テレワーク普及や東京一極集中の進展、京浜臨海部の産業構造の変化など、便益(B)側の前提条件も大きく変わっているはずです。

10年が経過した今、改めて費用便益分析を行い、整備効果を再検討すべきと求めました。

局長の答弁は、「鉄道事業者との協議の進捗に応じて、必要によりB/Cの算出を改めて行うことも検討する」というものでした。

「検討する」という前向きなニュアンスが引き出せた点は前進だと受け止めていますが、「鉄道事業者との協議の進捗に応じて」では、市側の主体性がやや弱い印象です。事実や実態に基づいて市民が冷静に判断できる材料を、横浜市が主体的に提供していくべきだと考えています。


中距離電車の停車は「目的」ではなく「手段」

最後に強調しておきたいのは、中距離電車の停車自体が目的ではないということです。

これはあくまで、「京浜臨海部の玄関口としての鶴見駅をどう活かすか」「横浜市の都市構造の中で鶴見をどう位置づけるか」という、まちづくり全体の中の手段の一つです。

300億円(しかも更新すれば増額が見込まれる)という大きな投資ですから、感情論ではなく、事実と数字に基づいて、市民とともに冷静に向き合っていくことが大切です。

そのために、最新のデータでB/Cを更新し、課題と便益を透明化する。これが、議論を前に進めるための第一歩です。


おわりに──地味だけど大事な、長期視点のまちづくり議論

中距離電車の停車構想は、すぐに結果が出る話ではありません。鉄道事業者との協議、財源確保、貨物ダイヤとの調整──ハードルは決して低くありません。

しかし、10年、20年先の鶴見、そして横浜の姿を考えたとき、この議論を止めてはいけないと考えています。

鶴見駅のホームから通過する電車を見送りながら、「いつか、ここに停まるかもしれない」──そう思える未来をつくるために、引き続き議会の場で必要な提言を続けてまいります。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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