土徳とは?浄土真宗の安芸門徒としての価値観は今も生きているのか。

こんにちは。柏原傑です。

広島県の西部、かつての安芸の国ではお盆になると盆灯篭という竹やカラフルな紙で作られたものをお墓参りに持って行って、立てる風習があります。ご存じでしたでしょうか。私にとっては小さい頃から当たり前の風景でしたので、他所へ行ってわかった故郷の特徴の一つです。  

この絵では、手に持ってお墓参りに行く様子が描かれています。平成に子供時代を過ごした私も同じような景色を懐かしく思い出します。

西本願寺を本山とする浄土真宗の信者は全国に多く、安芸門徒、北陸門徒、尾張門徒、紀州門徒、石州門徒などと呼称されています。「安芸門徒」は、現在の広島県の西部地方、「安芸の国」の浄土真宗門徒のことで、全国的に有名です。

安芸門徒とは (akimonto)

土徳(どとく)…?

先日、サッカークラブのミニ合宿でも利用させていただいた佃野町にある智廣寺さん。そこの住職さんとは同世代の父親同士の仲間でもあり、親交させていただいています。

ある時に別の懇親の場で「柏原さん、土徳って知っています?クラブ名聞いて思っていましたけど、やっぱり土地に根差そうとする思想がやっぱり安芸門徒らしいなって思うんです」と言われまして、言葉は知らなかったのですが、そういうルーツに思想や考え方の源泉があるかもしれないと、新たな視座をいただいた心持ちでした。

少し調べてみると、どうも富山県のお寺さんのHPで丁寧なご投稿を見つけました。

「土徳」という言葉がある。広辞苑にも、大辞林にも出てこないので、少なくとも一般的に使われている言葉ではないことが分かるが、雰囲気はなんとなく理解できそうだ。ここでいう「土」は、大地や地面、土壌といった意味ではなく、人が暮らす土地や地域を指すのだろう。「徳」という言葉も、西洋にはない東洋の宗教哲学的な概念であり、身近な日本語の中から端的に指し示す言葉を探すのは難しい。強いて言うなら、品性や恩恵、加護といった解釈が当てはまるのかもしれない。
 この「土」と「徳」を組み合わせた「土徳」とは、要するに、そこにある自然、風物、周囲の人々もひっくるめて、他者に対して安寧をもたらし、それでいて何も求めない品性、品格が宿る土地、地域と形容できそうだ。本来は浄土真宗の教え、考えから生まれた言葉だといい、浄土真宗の盛んな北陸の風土を指し示す一つの表現だと聞いている。

「旅の手帳 北陸の観光文化情報誌 季刊(きかん)『彩都(さいと)』」より
(二〇〇七年一月二十日 石川県金沢市高岡町(株)アドマック発行)

祖父が亡くなった時に家系図を作ったのを思い出しましたが、誰しも自分が何者なのかルーツが気になるもの。人は自ら意味付けすることで前を向いてスムーズに力が出ると思いますので、これから時間をかけて紐解く新たな問いの一つにしたいと思います。

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