(仮称)豊岡町複合施設計画はこう変わった
― 事業者との対話で見直された「3つのポイント」

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

出典:横浜市「(仮称)豊岡町複合施設再編整備事業に係る連絡会」第1回(令和7年12月4日)・第2回(令和8年3月23日)資料より作成

鶴見区豊岡町で、老朽化した豊岡小学校の建替えにあわせて、図書館や保育所などを一つの建物にまとめる大きなプロジェクトが動いています。整備は民間の力を活用するPFI事業という方式で進められ、現在は事業者(つくる会社)を選んでいる段階です。

その選定にあたって、市と応募事業者が「個別対話」を重ねるなかで、当初の条件からいくつか見直された点が出てきました。この記事では、細かい全体像ではなく「当初計画と何が変わったのか」に絞ってご紹介します。

まずは、事業のキホン

場所
鶴見区豊岡町27番1号(現・豊岡小学校の敷地)
複合棟の中身
小学校・保育所・図書館・区民活動センター・地域子育て支援拠点
事業方式
PFI事業(BTO方式)※民間が設計・建設・運営まで一括で担う手法
予定価格
約190億円(189億9,606万円)
コンセプト
「つながる学び舎」— 多世代が学び・活動・交流する場
供用開始
複合棟(小学校・図書館・保育所)は令和12年度を予定
💡 PFIって? 道路や学校などの公共施設を、民間企業のアイデアと資金・ノウハウを活かして整備・運営する仕組みです。設計から運営までまとめて任せることで、効率的で使いやすい施設を目指します。
変更点 ①

工事スケジュールを「1年」延長

いちばん大きな見直しが、工事の進め方です。当初は既存校舎などの解体を約23か月で行う想定でしたが、事業者からこんな声が上がりました。

「複数の建物の解体に加えて、大量の杭(くい)を撤去する必要がある。現行の23か月では非常に短く、大型の解体重機も相当な台数が要る。音や振動のリスクが大きいのではないか」

これを受けて市は、既存校舎の解体工期と、新しい体育館棟の建設工期をそれぞれ1年間延長する方向で再検討しています。ゆとりを持たせることで、近隣への音・振動に配慮しながら工事を進めるねらいです。

工事スケジュールの現案と検討案の比較
▲ 上段が当初の「現案」、下段が見直し後の「検討案」。赤い点線の部分=解体・体育館棟建設を1年うしろにずらす(横浜市資料より)
これまで(現案)既存校舎の解体は令和12年度、新体育館棟の建設は令和13年度。全体の引き渡しは令和14年ごろ。
見直し後(検討案)解体・体育館棟建設をそれぞれ1年延長。全体の引き渡しは令和15年(2033年)夏ごろに。

ここが安心ポイント:延びるのは工事の“後半”です。小学校・保育所・図書館が入る複合棟の完成は令和12年(2030年)夏のまま変わりません。まず子どもたちや利用者が使う建物を先に仕上げ、その後で古い校舎の解体や体育館棟の建設を進める――という順番だからです。

校舎を建て替えながら進めるローリング計画(前半)
▲ 学校を動かしながら建て替える「ローリング計画」。①令和9年度末に一部解体 →②複合棟を建設 →③令和12年夏に複合棟完成、古い校舎の解体へ(横浜市資料より)
ローリング計画(後半)
▲ ⑤令和15年夏に体育館棟が完成、旧体育館を解体 →⑥令和16年秋以降、空いた東側は「民間機能棟用地」として活用(プール事業者の誘致などを予定)(横浜市資料より)
あわせて、解体でできた空きスペースに屋外広場(校庭の代わり)を仮設することや、新しい建物に支障しない既存の杭は残してよいことも検討条件に加わりました。子どもたちの活動場所を確保しつつ、工事の負担を減らす工夫です。
変更点 ②

学校図書館を「5階」にも置けるように

2つめは、建物の中の配置の話です。当初の条件では、小学校の学校図書館は4階以下に置くことになっていました。一方、市民が使う図書館は5〜7階の予定です。

ここで事業者から「学校図書館を5階に配置してはどうか」という提案の相談があり、市はこれを「5階の配置も可」と認めました。学校図書館と市民の図書館を同じ階でとなり合わせにすることで、両者の連携効果を期待するものです。

学校図書館の配置:条件変更前と変更後
▲ 左が変更前(学校図書館は3階=4階以下)、右が変更後(5階に上げて市民の図書館ととなり合わせに)(横浜市資料より)
先行事例(和光市)では、休み時間に図書委員の子どもたちが扉を開けて市の図書館へ本を借りに行ける仕組みや、名札の裏に図書館カードを入れて手ぶらで行ける工夫があるそうです。豊岡でも、こうした学校×まちの図書館の“いいとこ取り”が期待されます。
※ただし、市民エリアとのセキュリティ確保と、小学校エリア内で完結するバリアフリー動線の確保が条件です。
変更点 ③

「家庭科室」も地域が使える部屋に

3つめは、小学校の教室を地域にひらく話です。もともと、放課後や土日祝日に地域の活動で使える小学校の部屋として、音楽室・理科室・図工室・多目的室などが想定されていました。

ここに事業者からの提案で、家庭科室(調理などができる教室)も加えることになりました。

これまで地域が使える部屋:音楽室・理科室・図工室・多目的室 など
追加後上記に加えて家庭科室もOKに

調理台のある家庭科室が使えると、図書館が企画する料理やものづくりのワークショップ・イベントの幅が広がり、賑わいづくりの足がかりになります。使うときは衛生面に配慮し、利用方法は学校と調整することが前提です。

まとめ:計画は「対話しながら」育っている

今回の3つの見直しは、いずれも事業者との対話から生まれたより現実的で、より使いやすくするための調整です。工期には無理のないゆとりを、建物には施設どうしの連携を、教室には地域とのつながりを――という方向で計画が磨かれてきました。

⚠️ ご注意 この記事で紹介した内容は、令和8年3月時点の「検討案・方向性案」です。工事の進め方や部屋の使い方などの詳細は、令和8年に決まる事業者の提案によって変わる場合があります。市は今後も連絡会(第3回以降)を開き、地域と情報を共有しながら進めるとしています。
本記事は、横浜市 教育委員会事務局教育施設課/鶴見区区政推進課による「(仮称)豊岡町複合施設再編整備事業に係る連絡会」第1回・第2回の配布資料をもとに、住民向けにわかりやすく再構成したものです。図版はいずれも同資料からの引用です。正式な情報は横浜市の公表資料をご確認ください。

 

出典:横浜市「(仮称)豊岡町複合施設再編整備事業に係る連絡会」第1回(令和7年12月4日)・第2回(令和8年3月23日)資料より作成

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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