【政治家の報酬は上げるべき?】市民に負担を求める時代に、政治の姿勢はどうあるべきか―横浜市長、横浜市会議員の議員報酬引上げ議案を質す

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

2026年3月11日、横浜市会本会議において、
**市第153号議案(議員報酬・特別職給料の引上げ条例)**について質問を行いました。

今回の議案は、市長の給料や市会議員の報酬を引き上げる内容です。

この議案がどういうものか?を分かりやすく示した図がこちらです。


しかし、単なる「給与改定」の議論ではありません。

本市はすでに、自らの財政ビジョンの中で

  • 人口減少
  • 高齢化による社会保障費増加
  • 市税収入の減少

により、将来的に大きな財政不足が生じることを明確に示しています。

長期財政推計では

  • 2065年:▲1,752億円の収支不足

が見込まれています。
これは、歳出効率化だけで対応する場合、約15%の歳出削減が必要になる規模です。

横浜市自身もこの状況を

市政の持続性が欠けた危機的な状態

と位置づけています。

そのため現在、横浜市では

  • 受益者負担の見直し
  • 公共施設の再編・床面積削減
  • 事業の選択と集中

など、市民生活にも影響する行財政改革が進められようとしています。


だからこそ問われる政治の姿勢

こうした状況の中で問われるのは、

市民に負担や見直しを求める政治側が、自らの待遇をどう考えるのか

という点です。

政治の世界では古くから

「まず政治家が覚悟を示すべき」

という考え方が示されてきました。

例えば国会では

  • 東日本大震災後に議員報酬約13%削減
  • 維新の国会議員は現在も約2割の自主削減

などの取組が行われています。

横浜市会でも、日本維新の会の議員は

  • 年間約150万円
  • 任期4年で約600万円

を、選挙区外の被災地や社会貢献団体等へ寄付する予定です。

また費用弁償(議会出席交通費)も受け取っていません。


市長の説明責任

今回の議案は、特別職報酬審議会の答申を踏まえたものです。

しかし、この審議会は

市長の諮問機関

であり、
最終的に条例案を提出するのは市長自身です。

つまり、

政治的・道義的説明責任は市長にあります。

今回の質問では、

  • なぜこのタイミングで報酬引上げなのか
  • なぜ3.02%の改定率なのか
  • 市民の理解は得られるのか
  • 政治への信頼にどう向き合うのか

などを問いかけました。


政治判断とは何か

今回の条例では、市長給料は現任期中据え置きとされています。

これは一つの政治判断です。

政治判断とは、

  • 利害が対立し
  • 賛否が分かれ
  • 先送りの誘惑がある

課題に対して、

最終的に責任を引き受けて決断すること

だと私は考えています。

横浜市でも

  • 敬老パス制度
  • 子育て世帯の保育料負担
  • 多子世帯支援

など、まさに政治判断が必要な政策課題が数多くあります。

今回の質問では、
市長自身がどのような政治判断を行うのかという点についても伺いました。


本会議質問全文

以下が、本会議で行った質問全文です。

(以下全文)


市第153号議案(横浜市市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部改正)関連

提出議案について、全て山中市長にお伺いいたします。

本議案は、市長の給料や議員の報酬を引き上げるものであり、「公選職」、つまり選挙で選ばれる政治家自身の身分や待遇のあり方が問われる議案です。

そこで、少しお時間をいただきますが、本市の置かれた状況と、我々議会や行政トップに求められる姿勢について、まず確認したいと思います。

本市では、平成26年6月に「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」を制定し、その趣旨を具体化するものとして、令和4年に財政ビジョンを策定しています。

この財政ビジョンでは、今後、急激な少子高齢化と人口減少が進む中で、社会保障経費の増加と市税収入の減少により収支差が拡大し続けると示されています。

長期財政推計では、2065年には-1,752億円の収支差が見込まれ、これを歳出効率化だけで対応する場合、約15%の歳出削減が必要とされています。

さらに、こうした状況は、現在の行政サービス水準を将来にわたり維持することが困難になることを意味し、「市政の持続性が欠けた危機的な状態」と位置づけています。

そのため本市では、受益者負担の見直しや、公共施設の床面積の削減・再編、効果の乏しい施策の廃止・見直しなど、市民生活や行政サービスのあり方そのものに関わる改革が求められています。

だからこそ、まず問われるべきは、市民に見直しや負担を求める政治家自身が、自らの身分や待遇の問題にどう向き合い、どのような姿勢を示すのかという点です。

歴史を紐解けば、「まず政治家が覚悟を示すべきだ」という考え方は、与野党を超えて国政の場で繰り返し示されてきました。

とりわけ日本維新の会は、率先規範の行動を実践してきました。

国会では、東日本大震災後に行われた議員報酬約13%削減が2年間の時限措置で終了した一方、日本維新の会は、国会議員報酬の2割、年間約260万円を自主的に削減し、被災地などへの寄付を継続しています。

ここ横浜市会においても、我々維新の議員は、手取りから年間約150万円、任期4年間で約600万円を、選挙区外の被災地や社会貢献性の高い団体等へ寄付する見込みです。議会に来るだけでもらえる費用弁償も受け取っておりません。

とはいえ、連立政権でお支えしている高市早苗総理の覚悟には、我々も到底及ばないと言わざるを得ません。

令和7年12月17日、高市総理は臨時国会閉会後の記者会見で、「身を切る改革として、国会議員から任命される総理大臣を含む閣僚等について、議員歳費を超える給与を受け取らない法改正も成立した」と述べています。

具体的には、国会議員の歳費である月額約129万円を超える給与分について、総理大臣が月額約115万円、閣僚が月額約49万円を受け取っていないとのことです。

加えて、2月24日の衆議院本会議では、高市総理は「身を切る改革は重要」と述べ、議員定数1割削減を目標とする考え方を示しています。

  • そこで、このように、政治家が自らの身分や待遇の見直しを通じて姿勢を示し、政治への信頼を確保しようとしてきた動きについて、市長はどのように受け止めているのか、見解を伺います。

また、本議案は、特別職給料や議員報酬を審議する審議会の答申を踏まえたものです。

しかし、同審議会は、市長の諮問に応じて意見を述べる附属機関であり、最終的に条例案を議会へ提出するのは市長ご自身です。

  • 今回の報酬引上げについて、市長は政治的・道義的な説明責任をどのように果たすのか、明確にお答えください。

政治への信頼が問われる中で、政治側が自らの報酬を引き上げる議案を提出することが、市民にどう受け止められるのかは極めて重大です。

そして、このことについて説明責任を負うのは、市長だけでなく、議案を審議し判断する議会も同様であると考えます。

  • そこで、市長は、このタイミングで報酬引上げ議案を提出することについて、市民にどのような説明責任を果たせると考えているのか。あわせて、政治への信頼確保という観点から、今回の提案が妥当であると判断した理由を、具体にお示しください。

審議会では、改定案として、平成23年度以降の累積改定率である3.02%を採る案と、

令和7年度の単年度改定率である2.20%を採る案が示され、最終的には3.02%の案が採用されています。しかし、同じ「引上げ」であっても、市民の受け止めも、財政への影響も変わってきます。実際、審議会でも、据え置きとしてきた分まで加算するのは一般的ではない、透明性の観点からも単年度改定率の方が分かりやすい、といった趣旨の意見が出されています。

  • そこで、なぜ、単年度改定率の2.20%ではなく、累積改定率の3.02%を採ることが妥当だと判断したのか。その合理性を、市民にどう説明するのか、伺います。

そもそも、議員報酬や特別職給料は、一般職給与のように、人事委員会勧告等に基づいて自動的に連動するものではありません。

それにもかかわらず、今回の審議会では、引上げの理由として、いわば「モチベーションを上げてもらうため」とも受け取れる趣旨の発言がありました。

しかし、政治家の報酬は、市民の付託を受けた立場として、その職責に見合う水準であるか、そして何より市民が納得できるかという観点から判断されるべきです。

  • そこで、今回の改定を妥当と判断するに当たり、財政見通し、他都市比較、職責、市民感情などを、どのように考慮し、何を基準に「適正」と判断したのか。市長の考えを具体にお示しください。
  • 合わせて、このような審議会の議論は、市民が納得できるだけの検討と公開性を備えていたのか。
  • 市民の多様な声は十分に反映されていると考えているのかお伺いします。

最後に、本議案の附則により、市長給料は現任期中に限り改定前の額に据え置くとされていることについて、伺います。

この据置は、市長ご自身が、いまこの局面で報酬を上げることが市民の受け止めや政治への信頼に影響すると判断した結果であり、一つの政治判断であると受け止めます。

そもそも政治判断とは、単に事務的・技術的に制度を動かすことではなく、賛否が分かれ、利害が対立し、先送りの誘惑もある課題に対して、最終的に責任を引き受けて決断することだと考えます。

たとえば原発のバックエンドや核のごみ最終処分場のように、厳しい議論を避けて通れない課題は最たる例です。

本市においても同様に、分かりやすい例で言えば、

課題が置き去りにされている

敬老パスの多数回利用に対する公費負担の上限設定や

利用者負担の見直し、

子育て世帯から声の大きい「0歳から2歳の保育料負担軽減」、

「多子世帯の保育料軽減の考え方の見直し」などは、

まさに市長自らの政治判断が問われる政策課題です。

  • そこで、今回、ご自身の給料を据え置いた理由を、単なる手続ではなく、市民へのメッセージとして、どのような意味を込めた政治判断と位置づけているのか。
  • 市政運営において、今後どのような場面で政治判断が必要になると認識しているのか。
  • 自らの政治判断について、どのように結果責任を果たしていくのか。見解を伺います。

全国では、首長が自らの退職金や待遇を見直すことで、市民に負担や改革を求める前に、まず自ら覚悟を示す動きが広がっています。

最近では、芦屋市長が公約に沿って退職手当を不支給とする条例案を提出しています。

東京都知事も給与半減を続けており、昨年も約2,900万円の年収が1450万円に減額される条例が都議会で可決されています。

  • こうした首長自ら覚悟を示す行動により、改革への理解を得ようと流れについて、市長はどのように受け止めているのか。ぜひ率直にお答え願います。

以上で質問を終わります。


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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

柏原すぐる

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