【視察報告】PFI事業における大阪府営住宅の民活プロジェクト

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

先日、所属している横浜市会の特別委員会「大都市行財政制度特別委員会」の委員として、大阪府へPFI事業における府営住宅の民活プロジェクトに関して視察へ行きましたので、以下ご報告いたします。

1 視察先

  大阪府庁

2 視察月日

  1月25日(木)

3 対応者

都市整備部 住宅建築局

・住宅経営室 経営管理課 参事 (挨拶・説明)

・住宅経営室 住宅整備課 建替事業グループ 副主査(説明)

・居住企画課 地域住宅グループ 居住住宅補佐(説明)

4 視察内容

  • PFI事業における府営住宅の民活プロジェクトについて
  • 大阪府営住宅の現状

令和5年末時点で、団地数が305団地、管理戸数が115,795戸、入居者数165,833人という事業規模である。その11.5万戸のうち、高度経済成長期に建設された住宅が約7万戸。耐震化率は97.7%に達している。

参考:都市整備部住宅建築局住宅経営室住宅整備課建替事業グループ 民間事業者募集のページ

https://www.pref.osaka.lg.jp/jutaku/minkatu/

  • 民活プロジェクト導入の背景

民活事業については、当初、高度経済成長期の大量ストックについて、厳しい財政状況やマンパワー不足に対して適切に建替え(スピードアップによる山崩し)していくための手法として検討・開発された。これについては、平成14年に大阪府営住宅ストック総合活用計画で記されていた。

  • 民活プロジェクトの特徴

 府営住宅の建替えと余剰地(活用地)の処分・活用をセットで実施すると共に、余剰地の処分益を建替えに必要な府営住宅整備基金に充当するというもの。具体的には、「入居者の移転、既存受託の撤去、建替住宅の設計、建設工事、工事監理、活用地の処分まで」を一括して委託する。施設建設後の所有権の移転を行うBT(Built Transfer)方式を採用しており、PFI手法の適用条件は①立地が良い(活用地の需要)②一定以上の事業規模(工期短縮効果)としている。

  • 府営住宅の基本的な考え方について

府営住宅・市営住宅の現状と課題認識として、以下が挙げられるため、より身近な地域のニーズに対応した管理・運営の仕組みとして、平成22年10月の財政改革プランに基づき、国、市町村、民間との役割分担の視点から検討され、府は広域的な課題に注力し、基礎自治体には安心して支えられるよう財源や権限の委譲が進められた。

  • まちづくりへの活用やセーフティネットの役割を担うべき市が、府営住宅については政策決定に関与できていない
  • 同一地域(市)に、同じ法制度に基づく公営住宅等が、異なった事業主体で管理・運営されている
  • 入居募集を別々に実施、窓口が異なるなど、府民・市民にとって分かりにくい面がある
  • 隣接する府営・市営住宅団地の建替事業等について、さらに連携することが可能
  • より身近な地域のニーズに対応した管理・運営の仕組みが必要

ウ 質疑概要

Q 事業者提案の審査方式に関して、これまで改善した点はあるか。

A 元々は加算方式であったが、価格を重視するために除算方式に変わった。加算点評価項目に関しては、5点の加算点付与基準のうち、「⑤府営住宅の維持管理に関する提案」は後で追加された経緯がある。

Q 建設後の運営を事業に含むBTO方式の場合は維持管理コストの低減がPFI事業者のインセンティブであるが、BT方式なのでそれがないというのが背景か。

A その通り。

Q 民活プロジェクトを適用する規模等の基準はあるか。

A 200戸程度の規模感であれば、0.5h以上の余剰地が生み出せるため事業性がある。

Q 物価高騰等の影響や対策

A すでに15件の実績があるが、16件目は令和5年8月に不調に終わった案件がある。また、物価変動リスクについては、府営住宅整備費について、物価変動率が±1.5%を超える場合に限り、±1.5%を超える額について整備費等を見直すこととし、物価変動率の指標は、建設工事費デフレーター(住宅建築・非木造)を参照している。

(2)委員所見

大阪府は全国的に見ても府営住宅が団地数、戸数が多く、神奈川県の約3倍となるなど、財務面、住宅行政の執行面での課題がより顕在化されやすく、それゆえに改革の必然性の理解がされやすい側面があると推察する。また、ニア・イズ・ベターの発想に基づき、府営住宅が既に大阪市をはじめとする4つの市に移管されるなど、改革が進行している。また、UR、公団、府営、市営、町営などが横断的に連携することで、公共的な資産の有効活用や住民の便益の最大化を図る試みが行われている点は評価できるポイントであり、大都市かつ基礎自治体という特性を有する本市も学ぶべき点が多いにあると考える。

私以外の委員視察や委員会の議論の経過などは、以下の横浜市HPに掲載されています。

https://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/kiroku/katsudo/r5/TokubetuDaitoshiR05.html

視察報告のPDF版はこちらです。

大阪府「PFI事業における府営住宅の民活プロジェクトについて」ほか(PDF:233KB)

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最後までご覧いただきありがとうございました。

柏原すぐる

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