横浜市長のパワハラ認定を受けて――恐怖で人を動かす組織から、力を引き出す市役所へ
こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

本日、横浜市長の言動に係る第三者調査報告書が公表され、市会全員協議会及び総務委員会において、調査委員から直接説明を受けました。
報告書を読み、説明を聞いた上で、私は今回の事態を極めて深刻に受け止めています。
問題は、個別の暴言や不適切な振る舞いだけではありません。
市長が絶大な人事権を背景に職員を萎縮させる組織風土を形成し、その結果、市役所全体の心理的安全性や行政運営に重大な悪影響を及ぼしていたことが、第三者によって認定されたからです。
今回の報告を受けて、動画でも概要や柏原の考え、緊急声明の内容などをお話ししています。ぜひご覧ください。
1月16日、会派として緊急要望を提出
私たち日本維新の会横浜市会議員団は、本年1月16日、当時の現職人事部長による実名での告発を受け、横浜市に緊急要望を行いました。
その中で、主に次の事項を求めました。
・市長による早急かつ開かれた場での説明
・外部の第三者による公正な事実確認
・関係職員への不利益な取扱いの防止
・職員や教職員の不安を軽減する対応
・市政運営の安定確保
・市会への適時適切な説明
・市政への信頼回復に向けた道筋の提示
市長と告発した職員の主張が大きく食い違う中、市の内部だけで結論を出すのではなく、市長の影響が及ばない第三者による調査が必要だと考えたためです。
今回の報告書によって、第三者による調査と、調査に協力する職員の保護を求めた必要性が、改めて明確になりました。
多数の言動がパワーハラスメントと認定
報告書では、市長による次のような言動が認定されています。
・職員を怒鳴る行為
・書類を机に投げつける行為
・感情を露わにして机を叩く行為
・職員を睨みつけ、意図的に無視する行為
・「切腹」という発言
・職員に銃口を向けるような「銃撃ポーズ」
・人格や能力を否定する発言
・深夜や休日を含む、緊急性のない業務連絡の常態化
・特定の職員を市長への説明から排除する、いわゆる「市長室出入り禁止」
・人事権を背景として職員に恐怖や心理的圧力を与える行為
報告書は、これらを一部の偶発的な失言ではなく、圧倒的に優越的な立場にある市長が、日常的、継続的に行ってきた重大なパワーハラスメントであると厳しく評価しています。
さらに、市長の言動によるハラスメントの連鎖、職員の士気低下、人材流出、行政運営の停滞、ひいては市民利益への影響まで指摘されました。
恐怖で人を動かしても、組織は強くならない
私自身、会社員や現場監督として、そして現在は議員として、大きな組織の中で仕事をしてきました。
その中で、役職、権限、肩書などの優越的な地位が、人の振る舞いに大きく影響する場面を何度も見てきました。
本人に威圧する意図がなかったとしても、権限を持つ側の一言や態度は、受け取る側にとっては非常に重いものになります。
人事や評価を握る立場の人から怒鳴られる。
意見が合わなければ無視される。
異論を述べれば、異動させられるかもしれないと感じる。
そうした環境では、人は考えていることを正直に話せなくなります。失敗や課題を隠し、上司が望んでいると思われる答えを先回りして出すようになります。
人の心を萎縮させるマネジメントは、百害あって一利なしです。
一時的に指示が通りやすくなったように見えても、組織から率直な意見、改善提案、挑戦する力が失われていきます。
問題は個人の資質だけではない
もちろん、市長本人の言動と責任は厳しく問われなければなりません。
一方で、今回の問題を、一人の市長の性格や資質だけの問題として終わらせてはならないとも考えています。
どれだけ大きな権限を持つ人物であっても、その人の考えや感情だけで、巨大な組織全体が左右されないようにする。
不適切な言動や権限行使があれば、周囲が止めることができる。
職員が安心して声を上げ、外部に相談できる。
そのために、制度によって権力をしっかり縛ることが重要です。
権力を持つ人の善意や人格だけに、適正な組織運営を委ねてはいけません。
これは、行政改革を掲げる維新としても、改めて重く受け止めるべき問題です。
なぜ副市長や幹部職員は止められなかったのか
報告書では、市長本人だけでなく、副市長をはじめとする幹部職員が、本来果たすべき抑止、牽制機能を十分に果たせなかったことも指摘されています。
市長に強い権限があるからこそ、その周囲には、誤った判断や不適切な言動を止める役割を持つ人が必要です。
しかし、今回の事案では、市長を止めるべき立場の幹部職員自身も萎縮し、問題を組織として是正できない状態に陥っていたことがうかがえます。
なぜ、ここまで長期間にわたり問題が放置されたのか。
副市長や幹部職員は、市長の言動をいつから、どの程度把握していたのか。
既存の相談窓口やコンプライアンス体制は、なぜ機能しなかったのか。
市長本人の責任と併せて、組織として検証しなければなりません。
研修を受ければ済む問題ではない
報告書は、市長が一部の不適切な言動について反省する姿勢を示した一方で、根底にある職員の尊厳や人権への配慮の欠如について、十分な自覚が見られないと指摘しています。
今後、研修を受ける、言葉遣いに気をつけるといった対応だけで、今回の問題を終わらせることはできません。
市長は今後も、膨大な行政事務や人事を決定する権限を持ち続けます。
同じ権限と組織体制のままで、本当に同様の問題が繰り返されないのか。
市長本人の反省だけに委ねるのではなく、外部の第三者が継続的に確認し、必要な場合には是正を求められる制度が必要です。
市長は進退を含む責任を明確にすべき
市長は、今回の調査結果を、一部の言葉遣いやコミュニケーションの問題に矮小化してはなりません。
市民、職員、市会に対し、第三者による事実認定をどのように受け止めているのか、自らの言葉で説明する必要があります。
そして、職員を萎縮させ、市役所の組織風土や行政運営に重大な影響を及ぼしたことについて、進退を含め、政治的・道義的責任を明確にすべきです。
表面的な謝罪や研修の受講だけで、市政への信頼が回復するとは考えられません。
特別職を対象とした条例と独立した制度を
報告書では、市長、副市長などの特別職も対象とする「ハラスメント防止条例」の制定が提言されています。
現在の横浜市のハラスメント対応指針は、一般職の職員を中心とした制度であり、市長自身が加害者と疑われる場合に、十分に機能する仕組みとはなっていません。
今後は、少なくとも次の制度が必要です。
・市長や副市長などの特別職を明確に対象とする条例
・執行部から独立した相談、通報窓口
・外部の専門家による調査、勧告制度
・調査協力者への不利益な取扱いを禁止する仕組み
・市長に関する調査を、市長本人の指揮命令系統から切り離す仕組み
・再発防止策の実施状況を市会と市民に報告する仕組み
条例を制定したという形式だけではなく、実際に権力を抑制し、職員を守る制度として機能させなければなりません。
調査に協力した職員を守る
今回の調査では、市長が人事権を持つことから、職員が調査に協力すること自体に大きな不安を感じていたことが記されています。
報告書の公表後、誰が証言したのかを探すような行為や、調査に協力したと疑われる職員に対する異動、評価上の不利益があってはなりません。
調査協力者の保護を、市長や幹部による言葉だけの約束に委ねるのではなく、第三者が継続的に確認できる仕組みとする必要があります。
今後の人事異動についても、報復的な取扱いが行われていないか、市会として厳しく確認していきます。
百条委員会も視野に、未解明の事項を検証
今回の第三者調査によって、多くの事実が明らかになりました。
一方で、この調査は約4か月半という限られた期間の中で、関係者の任意の協力に基づいて実施されたものです。
報告書自身も、ヒアリングに応じなかった職員がいたことや、未確認の資料、把握できなかった情報が存在する可能性を指摘しています。
人事異動の具体的な妥当性、職員の健康被害との関係、私用メールによる公務上のやり取り、公文書管理、深夜や休日の勤務実態など、引き続き確認すべき事項が残されています。
必要であれば、地方自治法第100条に基づく調査特別委員会、いわゆる百条委員会の設置も視野に入れ、議会として真相究明と責任の明確化を進める必要があります。
377万人都市の力を引き出す市役所へ
横浜市は、約377万人の市民が暮らす巨大都市です。
そして今、行政の現場も人手不足が進んでいます。
限られた人員の中で複雑化する行政課題に対応していくためには、一人ひとりの職員が持つ経験、専門性、知恵を最大限に引き出し、立場を超えて力を合わせることが欠かせません。
上からの恐怖や圧力によって人を動かすのではなく、目的を共有し、意見を聞き、挑戦を後押しする。
失敗や課題があれば早く共有し、組織として改善する。
職員が安心して率直な意見を言えるからこそ、より良い政策と市民サービスが生まれます。
人を萎縮させるマネジメントではなく、人の力を引き出すマネジメントを、横浜市役所に取り戻したい。
市政への信頼回復に必要なのは、表面的な謝罪ではありません。
事実と正面から向き合い、責任を明確にし、権力を制度によって適切に抑制すること。そして、職員が誇りと意欲を持ち、市民のために力を発揮できる組織へと改めることです。
私は横浜市会議員として、そして日本維新の会横浜市会議員団の一員として、市民と職員のための市役所を取り戻すため、引き続き厳正に対応してまいります。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会
柏原すぐる

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