“スポーツ人材と公園を繋げたい” なぜNPO法人なのにサッカースクールの会場として公園を利用できないのか?

サッカークラブがなくなる?

そもそもなぜタイトルの問いを立てるかと言えば、「公園でやってるサッカースクールが来年3月で解散しそう」と耳にしたからです。

具体的には、横浜市鶴見区でちょうどJRの線路と鶴見川が交わる場所に位置する佃野公園を会場として過去数年間サッカースクールを実施してきたNPO法人運営のクラブが来年度からスクールを実施できなくなったと、そこに通わせている保護者の方や関係者の方から不安混じりでお話を伺ったというわけです。

佃野公園。子どもたちには十分な広さがある一方、周囲は住宅がすぐ目の前に迫る。写真の反対側は鶴見川でほとりの歩行路や広場が整備されている。公園管理は愛護会が中心となり管理運営を行う。なお、この場所は氾濫を繰り返す鶴見川の蛇行ポイントで、かつては川があった。

役所の見解は?

そこで、私自身も公園を管轄する鶴見区土木事務所や横浜市環境創造局公園緑地管理課へ問い合わせを行ないました。その結果として、行政回答は要約すると以下のようなものでした。

土木事務所「収益を上げているようなスポーツ教室は不適切なので、土木事務所からもそう伝えている。そのように決まっているんです」

横浜市「そのサッカー教室がサッカーに使うボール等の必要な備品だけでなく指導者の人件費を徴収するような場合は、横浜市公園条例6条第一項で規定する公園で制限されている行為の(1)”物品の販売、募金その他これらに類する行為をすること“に該当します。無形だけれどもサービスなので類する行為になります」

なお、条文としては以下のように記載されています。

(行為の制限)

第6条 公園において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。ただし、法第5条第1項又は法第6条第1項若しくは第3項の規定に基づく許可に係るものについては、この限りでない。

(1)物品の販売、募金その他これらに類する行為をすること。

横浜市公園条例

NPOなのにダメなのか?

もう少し補足すると行為の主体者(誰が行為を行うか)に関しては規定されていないんです。だから、聞いてみました。

「非営利の目的で設立されて運営しているNPO法人がやってもダメなんでしょうか?」と。

そうですよね、NPO法人は特定非営利活動法人なわけだから。スポーツを通じた社会貢献を理念に唄ってたりするわけだから、公益(少なくとも法人の提供するサービスを受ける人の健康や成長)に資するわけだからいいんじゃないの?というのが感覚としてあるので違和感がありました。

が、返答は前述の趣旨で以下のような返しが来るんです。

「サッカー教室は無形のサービスを販売していると考えられるので、第6条一項に該当します。例えばボール等の必要な実費のみを徴収している場合は良いですが、人件費を含めてしまうと販売に類する行為に該当してしまいます。」

思いました。いやー人件費だって必要経費ちゃうのかな。と。

人材難の時代

家事育児介護もそうだけど、無償提供できるほど地域に人の手が余っていない時代だと思うんですよね。

その意味で地域のスポーツ人材も同じ。父親だって仕事で稼いでくることだけじゃなくて、育児や家事に参加することは時代の要請であり、無償提供で子どもたちにスポーツ指導する親父たちはこれから益々希少性が増すと感じています。

だからこそ、人件費や会社経費もボールと同じような必要経費と捉えていいのではないかと考えています。

思い返せば、私は広島市立小学校でサッカークラブに所属していましたので、小学校教諭で顧問の先生が平日夕方や休日返上で指導にあたっていたのが懐かしく思い出されますが、昨今は教師の過剰労働が指摘されて久しく横浜市でも小学校側では指導運営しなくなったと聞きました。

そうなるとスポーツ指導する担い手はどこに…?となるわけです。

近所の小学校でいつ見てもサッカーはやってないなぁと思っていたら、実はサッカークラブがなかった!というのもよく理解できるわけです。

もちろん今でも指導に熱心な地域のボランタリーな指導者を何人も知っていますが、彼らのような人材の後継がずっと続くとは限りません。

公共空間の使い方をアップデートしよう

こうした事態を契機に、子どもたちのスポーツとの関わりや公園等の公共財産の使い方を時代に相応しくアップデートしていく必要性を改めて感じています。

私自身は、具体的に次のような考えは浮かんでいます。

  • 公園の管理運営のあり方を地域のボランティア頼み(愛護会や管理運営委員会等)から公園の規模やポテンシャルに応じて、多様なスポーツプログラムを提供するなどのソフトな質の向上を図ることのできる運営のあり方に変えていく方向(ポイントは家庭環境に関わらず参加しやすいこと)
  • ネーミングライツや民間施設設置等の公民連携によるマネタイズ(維持修繕や整備費の確保)と管理運営主体のオープン化や専門性の向上

とはいえ、話題に挙げた佃野公園における実効性や実現性の検証は不十分ですので、子どもたちの関わるスポーツや公園等の公共施設や空間づくりに想いのある方と議論しながら、その可能性を探っていきたいと思います。

鶴見区は40万人近くも人口がいる規模なのだから、区が主体になって公民連携の検討や民間提案の公募してよいと思ってます。が、ほんと横浜市が力入れるのはみなとみらいなどの玄関ばかり。区にはそうした独自の取り組みを実施する予算や人材、権限が丸でないんです。(実際にはありますが、限りなく少なく小さいです)

※県立公園の三ツ池公園は民間から活用アイデアを募るサウンディング調査が去年行われて、問い合わせてみたところ現在は庁内で今後の方向性を検討しているとのことでした。

本件に関しては、私自身が運営するサッカークラブの立場でもできることはないかと検討していますので、そちらも別途お伝えしていきたいと思っています。

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