※8月3日更新【横浜市レシ活】まさかのポイント失効!?~事業目的の達成は受託企業にとっても重要では?~

こんにちは。横浜市会議員の柏原すぐるです。

先週からTwitterなどSNSを中心に、2022年度の横浜市の事業であるレシ活バリューを利用した方から、「毎日手間暇かけてこつこつ貯めてきたポイントが突然失効した!」との悲痛な声が届いております。

先週、私自身のTwitterやfacebook、LINE公式でもアナウンスさせていただいたところです。

その後、忙しく過ごす中で、「どうなってんの?」と追う暇のない方がほとんどだと思いますので、今日までの情報を纏めてみました。

初動は? 6月13日

柏原の初動は6月13日に行った所管である経済局担当課へヒヤリングでした。

これだけの税金を投入したのが、このレシ活事業です。

そして、その当日にもさらに多くの声をいただきました。

翌日6月14日に再度コンタクト

これを受けて、事業を下調べし、翌日6月14日に同担当課へ書面を持って訪れ、協議させていだきました。

全く人間関係もない状況ですので、自らフロアへお伺いし、まずはご挨拶からでした。

柏原が議員としての任期がスタートしたのは2023年4月末ですので、レシ活自体は既に終了していたわけですが、過年度の事業検証は重要な仕事の一つとして、取り組んでまいります。

議会・議員の動きは?

それから、議会においてはその後も動きがありました。

横山正人議員は前議長であり、最大会派自民党の有力者です。現在、政策総務財政委員会でご一緒しております。

レシ活を推進する立場をとってきたその責任にも言及して、同様に経済局へ同日連絡取る動きがあったようです。

こちら同じ鶴見区選出の井上さくらさん。翌日15日には同様に所管に確認されていますが、拡散力を見ると私、柏原の力不足を痛感…

こうして議会からも事業を進めてきた市に対して、働きかけが行われています。

メディアの動きは?

メディアでは、神奈川新聞が5月17日に報じました。

同日5月17日に朝日新聞も報じました。以下のように、アプリ運営会社への取材回答も掲載しています。

アプリを運営するWED(東京)は取材に、「(ポイント失効は)横浜市との契約内容や利用規約に則った対応だが、一部のユーザーにサービスを最後までご利用いただけなかったことを真摯に受け止め、今後もサービス向上に努める」と回答した。

朝日新聞デジタル

市長の考えは?

6月19日には、山中市長は記者団に対して「早急に対応したい」と答えたことを神奈川新聞が報じています。

6月20日現在

柏原が見落としている情報はあると思いますが、上記のような経過を辿って、現在に至っています。

事業を推進した横浜市の問題もありますが、アプリ運営会社の事業継続上のクレジット(社会の信用)の観点でも、両者が膝を突き合わせて、本件の問題を解消させる合理的な理由が両者にあるように思えてなりません。

市民の1割程度しか行き届かなかかった事業そのものの良し悪しは検証されるべきことは変わりませんが、今回のポイント失効は公金が「市民生活を支援するという目的」ではなく「企業の収益になる」という、市民にとっては到底理解のし難い事態が起きていることは看過できません。

議会でこれを「問題ない」とする立場の方もいないでしょうし、市長も事態を認識した状況です。

WED株式会社HPより

こちらはアプリ運営会社であるWED株式会社ホームページの引用です。

「持続可能性を持った魔法体験」であり、「レシートを撮影して満足げな表情をしている人を見かけるようになった」その現象である

と、同社がいうサービスがもたらした本件。

情報が爆発的に増え、多くの人がその認知能力を凌駕する情報量に日々さらされています。「伝える」だけでは「伝わらない」時代です。

それゆえ、デジタルサービス提供者はこうしたユーザーの置かれた認知の状況まで汲み取って、サービス設計を行うべきではないでしょうか。

同社はゆくゆく上場ということもあるでしょうし、会社は公器でもあり、社会的な責任を果たす主体でもあります。

ぜひ、この機会に「会社の在り方」を問い直し、結果的に本件の早期決着を横浜市と協議いただくことを要望したいと思います。

尚、他の議員並びに住民からも問い合わせや申し入れが行われており、市長が取材に答えた現状を鑑み、私としては過剰な働きかけにならないように留意して対応します。

また、状況に変化がありましたら、アップデートさせていただきます。

【6/22更新】6月21日に市長が「レシ活→運営会社と協議中、総失効ポイント数は調査中」と定例記者会見で回答

神奈川新聞が6月22日の朝刊で報じています。

会見の様子は字幕付きで公開されている「ゆかりんご」さんの動画がとっても分かりやすいです。

本題とは逸れますが、「ポイント失効により公金が目的達成に使われなかったこと」に対する率直な思いを訪ねる記者の質問に、市長の機械的な答弁は、市民として残念ですね。

住民代表なのですから。

【7/6更新】7/5市長会見で「6/21の会見と変わらず、協議並びに調査結果が分かり次第お知らせする」とのこと

既に3週間は経過していますが、失効ポイント数などの全容も示されない状況です。

どういった着地の方向性かは当然議論されているでしょうが、心配や懸念している市民のことを思えば、少しでも進捗の状況を示すなり姿勢が問われるのではないでしょうか。

【7/7更新】7月6日に記者発表→期限前にポイント失効した約9万7千人分(約4億円分)は戻す対応を検討中(事業者側)

びっくりしました。ずっと市役所にいたのに、知らない間に記者発表してるのですから。

(上記の6月13日に担当課へ…とありますが、書面を手渡したのは6月14日のお昼の間違いでした。訂正します)

なんせ、この直前にこのツイート。。職員さんに声掛けとかって大都会の大組織にしみったれた感情は不要でしょうか?

▽記者発表資料「レシ活のポイント失効への対応状況について」

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/keizai/2023/reshikatsu0706.html

今回の発表で明らかになったのは、下記の太文字部分です。

3)事業者からの申し出 事業者から、「120日経過前に失効した方については、市の申入れも踏まえて社内で検討した結果、社の判断として、失効額を戻す対応を検討している」との申し出がありました。事業者は、120日経過前に失効した人数は約9万7千人、金額は約4億円としています

【記者発表】レシ活のポイント失効への対応状況について(PDF:155KB)

これは明らかな事業者の過失ですので、ある意味で当然。120日経過後であったとしても、公金がポイント失効により目的を達成せずに事業者の利益になってしまうことや、ポイント失効に関する通知方法が適切だったのか等、検証されるべき点は残されたままです。

記者発表資料を引用すれば、「横浜市からの協議申入れ事項」である以下の4点のうち、④は方向性が見えましたので、①~③は引き続き協議事項として、事業者からの申し出を期待したいと思います。

 ① 失効したポイントの復活(期間延長等)
 ② 失効したポイント分に関する事業費の取扱い
 ③ ポイント有効期間短縮の利用規約変更の経緯及びその理由
 ④ 120 日経過前に失効した方への対応

【余談】やはり最大会派の自民党は違う?7月6日15:00には横浜市の発表内容を掌握。

前述のように市役所を退庁してから、市の記者発表を知ったわけですが、自民党さんは15時台には既に同様の内容をtwitterで投稿済。

横山正人議員は、前述の通り6月14日には当局への働きかけを行ったようでしたし、最大会派自民党並びに公明党としては、そこに何人も騒ぎ立てるというよりも横山議員を中心に当局側と働きかけ、モニタリングを行ってきた、そして、記者発表前に自民党にはしっかり情報共有を行ったというのが大枠の流れではないかと想像します。

振り返れば、私自身は初動こそ担当課にコンタクトを取りましたが、上記のように山が動いたのを見てから、私自身は様子見して当局とのコンタクトを図っておりませんでした。

余談にはなりますが、個人としても会派としてももっと力をつけたいと感じる、そのような出来事であったことを記しておきます。

また、レシ活の件は動きがありましたら、アップデートいたします。

【8/3更新】失効ポイントは戻ってくる!約4億円は来月ユーザーに、残額は横浜市へ。

8月2日14時より行われた市長の記者会見において、事業者との協議状況が発表されました。

纏めますと、公表された内容は以下の通りです。

  • ポイント失効期間として規約に定められた「最後の付与から120日を経過した日」よりも前に事業者が誤って失効させてしまったポイント
    • 9月11日~15日の間に、自動的に利用者のアプリに返還される
    • 総額は約4億円、対象者は約9万5千人
    • 返還されたポイントの有効期限は2024年1月13日
    • 対象者にはアプリのプッシュ通知の他、ショートメールで通知が届く。その他に横浜市としても周知に努める。
  • 規約通りの期日に失効したポイント
    • 横浜市に返納される
    • 総額は5千万円程度
  • 検証はこれから、外部有識者等を入れた調査を行うか等の体制やいつまでにという期限は未定。

神奈川新聞でも8月3日の朝刊一面で報じました。(とはいえ、購読者が残念ながら少ない…がんばれ、神奈川新聞さん)カナロコは月会員向けの有料記事なんですよね。

1.9兆円の一般予算を持つ横浜市においてはほんの一部の事業ではありますが、本件だけを見ても、横浜市はミルフィーユのように幾重にも重なる組織で実態が見えづらいなと感じています。

個人や部署やグループとしては最適な行動であっても、保守的な行動やリスクヘッジ(明言しない、期限を切らない、無理に約束しないなど)が重なると「横浜市」という人格で見ると保守的でスピード感にかけ、温度感がなく、こっち(市民)の気持ちを分かってくれない人(組織)に見えてくるのかなと。

その巨大組織ゆえの宿命をぜひ市長には解きほぐして、補ってほしい。

市役所に席をいただいてから3か月足らずではありますが、そんな風に感じています。

なお、事業検証は途上ではありますので、9月以降の決算審査等で引き続き注視してまいります。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


最後までご覧いただきありがとうございました。

柏原すぐる

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2件のフィードバック

  1. 北園久美子 より:

    レシ活 第二段のおしらせが全然なくいまに至っていたので、本日 市に電話したら ホームぺーに
    ONEの電話番号があるからそちらに聞いてくれ
    とのことでした。
    電話番号は見つからず、先にお宅の記事がみつかったのでメールしました。
    期限がるなら明記すべきだし、高齢者には
    ハードルが高いです。
    不公平感のある制度だと思う、給食費を無料にするなどにお金を使った方が良いと思いました。
    あの手間暇は何だったでしょう
    腹が立ちます

    • Suguru より:

      ご指摘はごもっともです。昨日7月5日の市長定例記者会見の中でも神奈川新聞の記者の質問に対して、協議中との回答に留まっており、施策を進めてきた行政トップとしての責任において相応の姿勢を示してほしいものです。

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