【横浜市長選挙2026】選挙公報から読み解く7人の政策比較|公約・給食・子育て・財政を市議が解説
こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。
2026年10月18日投開票の横浜市長選挙。7人の候補者の選挙公報が公開されました。「子育て支援」「温かい給食」「市政改革」といった言葉は似ていても、対象となる人、実施方法、お金の使い方には違いがあります。
昨年の「選挙公報から読み解く!6人の候補者の政策比較ガイド」に続き、今回は公報の短い引用を入口に、候補者の公式サイトと横浜市の一次資料で補足します。公約の数だけでなく、何が変わり、どう実現するのかを考えるためのガイドです。
筆者の立場:私は日本維新の会に所属し、原沢あつみさんを応援しています。その立場を明らかにしたうえで、候補者の公約・市の現行制度・私の解説を区別して記載します。推薦については会派の公表資料をご覧ください。
確認日:2026年10月6日。以下は確認した資料に基づく整理です。記載が見当たらない事項は、反対や政策が存在しないことを意味しません。公報中の「実績」は候補者自身の説明であり、市の資料と照合できた部分は別途示します。
横浜市長選挙2026の候補者一覧と選挙公報
候補者は届出順で紹介します。氏名と届出上の党派は横浜市選挙管理委員会の候補者情報・選挙公報を基準としています。「無所属」と政党からの推薦・支持は別の情報です。
| 届出順 | 候補者 | 届出上の党派 | 公式発信 |
|---|---|---|---|
| 1 | 藤川さちこ | 無所属 | 政策 |
| 2 | 山中竹春 | 無所属 | 公式サイト |
| 3 | 中谷一馬 | 無所属 | あたたかい横浜・政策 |
| 4 | 原沢あつみ | 無所属 | 公式サイト・政策 |
| 5 | 福山あつし | 無所属 | 公約・政策 |
| 6 | 山本理顕 | 無所属 | 地域社会圏・公式サイト |
| 7 | あさか由香 | 日本共産党 | 公式サイト・7つの約束 |
例えば、こんな違いがあります|比較の入口となる4つの事例
以下は、政策を読み比べるための事例です。争点をこの4つに限定したり、重要度の順位を付けたりするものではありません。防災、地域交通、医療・介護、教育、都市の成長など、読む人によって、これ以上に大切なテーマもあると思います。
- 子育て:保育料の支援は第2子以降か、第1子からか。給食費と教材費のどこまでを対象にするのか。
- 給食:保護者負担をなくす話と、調理・配送の方式を変える話を分けて読む。
- 市政改革:情報公開、外部相談窓口、独立した調査、職場環境の改善を、どの仕組みで進めるのか。
- 財政とまちづくり:公共サービスの拡充、企業誘致、観光、地域への権限移譲を、どの順序と財源で進めるのか。
7人の選挙公報を読み解く|重点政策と実現に向けた論点
1.藤川さちこ候補|市民参加と暮らしへの予算配分
「市民が主役」
出典:横浜市長選挙2026 選挙公報・藤川候補欄
公報の重点:家計・子育て・福祉への支援、情報公開、市民参加による山下ふ頭の開発計画の見直し、地域で循環する経済を掲げています。
公式サイトで補足:区の独自予算を増やし、将来的に区長を区民が選ぶ仕組みと区議会を目指すと説明。教育では30人以下の学級、自校方式の中学校給食、フリースクール利用家庭や不登校の子どもの健診への支援を挙げています。[藤川候補の政策原文]
柏原の解説:市民参加を「意見を聞く」段階から、予算や意思決定に関わる段階へ進める点が特徴です。実行を見るなら、区に移す予算額と権限、福祉・教育施策の年間費用を確認したいところ。将来構想と、現在の行政の仕組みの中で始められる施策も分けて読む必要があります。
2.山中竹春候補|既存施策の実績と継続を訴える
「生活者目線」
出典:同公報・山中候補欄
公報の重点:医療費助成や中学校全員給食などを実績として示し、子育て、若者の仕事、防災を継続する立場です。公報には辞職に至った市政の混乱についてのお詫びも記載されています。
公式サイトで補足:地域交通の確保と敬老パスの利用先拡大、図書館の整備、山下ふ頭の再開発、企業・大学と連携した教育、データを用いた財政運営などを挙げています。[山中候補の公式発信]
柏原の解説:実績を読む際は、制度が始まったことと、利用者が満足していることを分けたいと思います。たとえば全員給食は実施済みですが、費用、品質、安全、残食、生徒の評価は継続して検証すべき課題です。再び市政を担うという判断には、政策の継続性とともに、権限行使を点検する仕組みや再発防止の具体性を確かめることが欠かせません。
3.中谷一馬候補|負担軽減とAIによる行政改革
「6つのゼロ」
出典:同公報・中谷候補欄
公報の重点:出産、保育料、給食費、介護離職、カジノ、ハラスメントの6分野と、改革・安心の施策を組み合わせています。
公式サイトで補足:保育料は0~2歳の第2子以降を対象に、所得制限と上の子の年齢制限をなくす方針。給食は中学校まで費用負担をなくし、自校・親子方式等をモデル検証します。また市長から独立した通報・調査の仕組みと相談者保護を説明しています。[中谷候補の18の政策]
柏原の解説:「保育料ゼロ」の対象を具体化しているので、家庭への影響を比較しやすい政策です。AI活用では導入費、削減できる事務量、対面支援の確保をセットで見たいところ。生まれる財源がいつ、どの規模になるのかと、無償化を始める時期が対応しているかが実行の判断材料です。
4.原沢あつみ候補|インフラ、防災、持続可能な都市経営
「将来世代に責任」
出典:同公報・原沢候補欄
公報の重点:防災・危機管理、道路や上下水道、必要な人に届く福祉、子育て、18区の個性、財政基盤、企業誘致、観光、官民連携、職場環境など12項目を掲げています。
公式サイトで補足:豪雨リスクに対する下水道等の検証、インフラの計画的更新、中学校給食の安全・供給・品質の検証を説明。滞在型観光と宿泊税の検討を挙げ、将来世代に負担を安易に先送りしない財政運営を目指しています。[原沢候補の12の政策]
柏原の解説:日々の暮らしを支える基盤と、支え続けるための経済・財政を結び付ける点に特徴があります。私が重視する方向性でもあります。一方で、公表資料からは各政策の開始時期、金額、達成指標まで十分に読み取れません。重点事業の優先順位と、給食の検証後にどう改善するのかを具体化することが今後の課題です。
5.福山あつし候補|市有資産を活用して稼ぎ、子育てに投資
「営業局」
出典:同公報・福山候補欄
公報の重点:市役所の営業機能、市有地・建物の活用、企業への支援、組織改革、子育て・教育への投資を一体で示しています。
公式サイトで補足:0~2歳の保育料は第1子から所得制限なし。給食は自校調理・親子・兄弟方式を組み合わせる方針で、費用も中学校まで無償化。ハラスメント相談窓口の外部化、市長に対する外部監査評価、内部通報体制の強化も明記しています。[福山候補の公約・政策]
柏原の解説:歳入を増やす提案と、歳出を見直す提案の両方を示す点が特徴です。資産の売却による一度きりの収入と、貸付や事業成長による継続収入は分けて考える必要があります。保育や給食の無償化を続けるには、毎年必要になる費用と、継続して得られる財源の対応を確かめたいと思います。
6.山本理顕候補|町内会を暮らし・仕事・交流の拠点へ
「地域社会圏」
出典:同公報・山本候補欄
公報の重点:住まいの保障、町内会サロン、市民無料のミニバス・ミニタクシー網、観光の拡大を柱にしています。
公式サイトで補足:住宅の耐震診断・地盤調査、住み方調査を挙げています。町内会サロンには子どもや高齢者の支援、行政窓口、ATM、カフェ等を集める構想。山下ふ頭の世界町家、中央卸売市場の観光地化なども説明しています。[山本候補のマニフェストと動画]
柏原の解説:住宅、福祉、交通、経済を地域単位で結び付ける点が特徴です。施設をつくった後の運営者と費用、町内会に入っていない住民も利用できる設計、担い手の負担を確認したいところ。無料交通についても、運賃をなくすための財源と運転手の確保が必要です。観光目標の数字の読み方は後段で解説します。
7.あさか由香候補|公共サービスと家計支援を拡充
「あたたかい中学校給食」
出典:同公報・あさか候補欄
公報の重点:家賃補助、保育・給食の負担軽減、市立大学の学費、避難所、子ども運賃、高齢者施設、人権・平和を掲げています。
公式サイトで補足:給食は学校調理方式を基本に、保育料は全年齢の無償化を掲げます。ケア労働者の処遇支援、国保・介護保険料の軽減、上下水道料金の減免も説明。18区の権限・財政の強化と、ハラスメント防止条例を挙げています。[あさか候補の7つの約束]
柏原の解説:生活支援を広く打ち出す点が特徴です。対象を広げるほど、毎年の財政負担も増えます。大型開発の見直しで何年度にどれだけ財源が生まれるのか、継続的なサービス費用を支えられるのかが論点です。消費税など国への要求と、市で実施する施策も分けて判断したいと思います。
各候補欄の引用元:横浜市選挙管理委員会・選挙公報。補足は各欄に示した公式サイトに基づきます。
子育て・保育料・中学校給食の政策比較表
公報と公式サイトで確認した範囲を整理しました。以下の「確認できず」は、今回確認した資料から具体的な対象・方式を特定できなかったという意味です。
| 候補者 | 保育料の支援範囲 | 給食費 | 中学校給食の方式・改善 |
|---|---|---|---|
| 藤川さちこ | 保育園・幼稚園費用の無償化 | 小中学校の給食・教材費を無償化 | 自校方式化 |
| 山中竹春 | 今回確認した記載から対象拡大の詳細は確認できず | 中学校給食費の無償化の明示は確認できず | 全員給食の実績を強調 |
| 中谷一馬 | 0~2歳の第2子以降、所得・上の子の年齢制限なし | 中学校まで無償化 | 自校・親子方式等のモデル検証 |
| 原沢あつみ | 対象を明示した無償化の記載は確認できず | 無償化の明示は確認できず | 安全・供給・品質を検証 |
| 福山あつし | 0~2歳の第1子から、所得制限なし | 中学校まで無償化 | 自校・親子・兄弟方式の組合せへ転換 |
| 山本理顕 | 保育料無償化の明示は確認できず | 給食費無償化の明示は確認できず | 方式の具体的記載は確認できず |
| あさか由香 | 全年齢の保育料を無償化 | 中学校給食費を無償化 | 学校調理方式を基本 |
市の現行制度と比べると何が変わる?
保育料は、現在も3~5歳児クラスと住民税非課税世帯の0~2歳児クラスなどが国の無償化の対象です。したがって、新たな負担軽減の中心は、現在保育料を負担している0~2歳児の家庭です。[横浜市・幼児教育・保育の無償化]
保育料無償化|第1子からなら、170億円超の規模をどう支えるか
2026年度の一般会計予算説明書では、「保育所費負担金」は102億1,046万6千円、「保育所使用料」は68億9,842万2千円。この2項目だけで合計171億888万8千円が歳入として計上されています(説明書22・25ページ/PDF24・27ページ)。[横浜市・2026年度一般会計予算説明書]
0~2歳児を第1子から所得制限なしで無償化するなら、まずこの170億円超という収入規模を踏まえ、失われる保育料収入を何で補うかを考える必要があります。これは現在の歳入2項目を合計した規模の目安であり、候補者の公約に必要な追加費用を市が確定した数字ではありません。対象施設、利用人数、国・県の負担、事務経費などを詰めた試算が必要です。第2子以降に対象を限る案と、第1子からの案に、同じ費用を当てはめることもできません。
さらに、保育所を利用していない家庭への支援や、ベビーシッター等の利用料補助を組み合わせるなら、その追加費用も別に必要です。参考として大阪市は、保育施設等を利用していない0~2歳児を対象に、育児用品や民間ベビーシッター等にも使える電子クーポンを年10万円相当(2026年度は5万円相当)配付する制度を公表しています。月10万円ではありません。他都市の例を比べる際も、対象、年額・月額、利用条件を揃える必要があります。[大阪市・電子クーポンの制度案内]
私も、財源を確保して無償化できるなら、子育て家庭の負担を軽くしたいと思っています。ただ、無償化を掲げることと、毎年続けられる制度を実現することは別です。財源の裏付けがないまま対象だけを広げれば、「ばらまき」と批判されかねません。今回確認した公報・公式資料だけでは、各支援策の年間費用、実施までに確保する財源、財源が整わない場合の工程までを対応させた説明は十分に読み取れませんでした。言うは易し、行うは難し。実施時期と、その時点で使える財源をセットで示してほしいと思います。これは、私が応援する候補者にも同じように求める視点です。
給食費|小学校の無償化も、中学校の330円も、公費で支えている
横浜市が公表する2026年度の給食費は、小学校段階は保護者負担0円、中学校は1食330円です。日本維新の会は、小学校給食の無償化を自民党との連立合意に盛り込みました。その後、国の負担軽減制度が実施されています。横浜市では国の基準額を超える部分も、市が国の臨時交付金を充当して対応しています。[自民党・日本維新の会の連立政権合意書] [横浜市・学校給食費]
中学校も、物価高騰分を国の臨時交付金で補い、保護者負担を増やさず330円に維持しています。「保護者の負担がゼロ」「330円に据え置き」は、給食にお金がかからないという意味ではありません。すでに公費で相当の費用を支えており、中学校まで無償化を広げるなら、さらに保護者負担分を補う財源が必要です。臨時交付金に依存する部分の継続性も含めて確認したいと思います。[横浜市・給食費の公費負担に関する回答]
家計への影響の目安として、330円×190食=年62,700円です。これは仮に190食利用した場合の試算で、実際の年間食数や減免によって変わります。また、この金額は保護者負担の目安であり、調理・配送・施設整備を含む市の総費用ではありません。
全員給食に向け、市は生徒・教職員81,000食分の供給体制を準備してきました。調理方式の変更は、施設の場所、厨房、配送、人材、既存契約などの条件を比較する必要があります。[全員給食開始までの経過・市会報告資料]
私が確認したいのは、味・温度・残食・生徒満足度・安全性・費用です。家庭の負担軽減と、子どもが実際に食べたいと思う給食の改善を、両方進められるか。学校ごとの条件と工程を示すことで、公約の実行性が見えてきます。
ハラスメント対策|「許さない」をどう制度にするか
今回の選挙では、市長を含む権限の強い人を誰が点検するかが重要な論点です。確認した公式発信では、藤川候補は情報公開、中谷候補は独立した通報・調査と相談者保護、原沢候補は職員が安心して働ける職場、福山候補は外部窓口・監査評価、あさか候補は防止条例を掲げています。山中候補は謝罪と自身の行動改善を表明しています。山本候補の今回確認したマニフェストでは、この分野の具体策は確認できませんでした。
ただし、ここは選挙公約だけでなく、すでに市が進めている対応と併せて読む必要があります。私たち会派は、市長不在の中で9月9日に緊急要望を提出し、9月24日に市の書面回答を受け、執行部と意見交換しました。市は、新市長の就任を待たずに職員支援と組織の見直しに着手しています。
書面回答では、市長・副市長などの特別職を対象とするハラスメント防止条例の検討が示され、意見交換では骨子案をすでに庁内で示し、職員間の議論に付しているとの説明がありました。外部性の高い別の相談窓口についても検討中です。条例の成立や外部窓口の設置が確定したという意味ではありませんが、執行部としての準備は始まっています。[緊急要望への市の回答・意見交換の記録]
私は、誰が次の市長になっても、この再発防止の取組は引き継ぎ、進めるべきものだと考えています。だからこそ、「条例をつくる」「外部窓口を設ける」という言葉の有無だけでは、候補者の違いを十分に判断できません。すでに進む検討を踏まえ、①市長・副市長も対象とする制度の実効性、②相談・調査の独立性、③相談者と協力者への不利益取扱いの防止、④調査結果と是正措置の検証を、どこまで具体化し、確実に運用するかを確認したいと思います。
横浜市の財政|2兆円の予算と「使えるお金」は違う
市の公表資料では、2026年度当初予算の一般会計は2兆933億円。特別会計・公営企業会計を含む全会計は4兆700億円です。[横浜市・ワンストップ財政情報]

この全体額が、新しい政策に自由に使えるお金ではありません。既存サービスや施設の維持、借入金の返済なども含まれます。市の財政解説では、当初の収支不足の見込み400億円は、減債基金の臨時活用100億円を見込んだ数字と説明されています。[横浜市・財政解説/予算編成の財源確保策]
ここでの「収支不足」は予算を組む過程の見込みであり、そのまま決算赤字を意味するものではありません。支援策を比較する際には、毎年の追加費用、開始年度の財源、数年後も続けられる財源をセットで見たいと思います。
企業誘致は雇用や税収の成長につながる可能性がありますが、成果が出るまでの時間が必要です。資産活用は売却・貸付で収入の性格が変わります。大型事業の見直しも、すでに結んだ契約や残る費用を確認して初めて、他の政策へ回せる金額が分かります。これはどの候補者の提案にも共通する検証の視点です。
「大型開発を見直せば財源ができる」は、事業ごとに確かめたい
あさか候補の政策詳細では、上瀬谷、関内、横浜駅周辺、新本牧ふ頭の開発や、企業立地条例による補助金の検証・見直しを掲げ、GREEN×EXPO 2027の規模、経費、跡地計画の見直しにも言及しています。見直し対象の地域・事業分野は挙げられています。ただし、これを「中止すればその予算が丸ごと生活支援に回る」と読むことはできません。[あさか候補・政策全文、5ページ]
確認したいのは、具体的にどの事業の、どの支出を、いつから減らすのかです。そのうち自由に振り替えられる一般財源はいくらか、国費や市債など使途・条件のある財源はいくらか。すでに支出した費用、契約変更や解約に伴う費用、残る維持管理費も区別する必要があります。
同時に、事業をやめる・縮小することで、地域の交通、防災、物流、雇用や将来の税収に不利益が生じないかも検証したいところです。こうした不利益が必ず生じると断定するのではなく、続ける場合と見直す場合の利益・不利益、差し引きの財源効果を同じ条件で比較するということです。今回確認した政策資料では、削減額・年度と新たな支援策の毎年の費用を対応させた財源表までは確認できませんでした。「大型開発」という一括りの言葉だけで判断せず、候補者の説明を市の事業計画・予算・契約と照合していく必要があります。
観光・山下ふ頭・GREEN×EXPO 2027|成長の成果を市民へ
山中候補は山下ふ頭の再開発と花博開催、原沢候補は花博を契機にした成長と滞在型観光、福山候補は市有資産・港・企業の活用を掲げています。一方、藤川候補は市民参加による開発計画の見直し、あさか候補は市民参加と暮らしへの予算配分を重視。山本候補は世界町家など地域社会圏の発想を観光に広げ、中谷候補は企業の実装・成長と地域の生活圏を結び付けています。各候補の具体的な記載は前掲の公式サイトを参照してください。
観光消費額5,077億円は、市の税収5,077億円ではない
市の2025年の調査では、観光入込客数は3,915万人、観光消費額は5,077億円と推計されています。[横浜市・2025年観光動態消費動向調査の発表]
山本候補は公報で、約5,000億円から1兆円への観光収入拡大を掲げています。比較する際には、目標が市の調査の「観光消費額」と同じ指標なのか、いつまでに達成するのかを確認したいところです。観光客がホテルや飲食店などで使うお金と、市に入る税収は別です。目標が達成されても、増加分の全額を福祉や無料交通に使えるわけではありません。
私としては、来訪者の数に加え、宿泊、滞在日数、市内事業者の売上、市民の雇用・所得への波及を見たいと思います。鶴見区を含む各地域に、その効果がどう届くかも大切です。花博の開催費用、周辺インフラ、開催後の土地利用は分けて検証すれば、候補者の方針の違いも読み取りやすくなります。
動画・討論会・公式SNSで、公報の先を確かめる
公報は紙面に限りがあります。本人の説明を確かめるために、7人が参加したネット討論会の記事、主催者イチニ株式会社の開催レポートも参考になります。
候補者ごとの説明を探す際は、冒頭の一覧から公式サイトへ進めます。藤川候補のサイトには政策説明のYouTube、山中候補には施策解説の動画、原沢候補には公式SNSへのリンク、福山候補には公約動画、山本候補には地域社会圏の解説動画、あさか候補には政策詳細と公式SNS、中谷候補には項目ごとの政策説明があります。
動画へのリンクは本人の説明を確かめるための補助資料です。ここで個々の動画内発言を追加の事実認定の根拠にはしていません。発言を引用する際は、前後の文脈と発言箇所を確認します。
公約を選ぶために、3つの問いを
議員として率直に述べると、限られた紙面の選挙公報だけで、候補者の政策全体や実現可能性を読み切るのは難しいと感じています。公式サイトで補足しても、費用、財源、時期、優先順位まで分からない部分は残ります。この比較も、候補者を網羅的に評価した結論ではなく、考えるための入口です。紙面にないことを「政策がない」と決め付けることも避けたいと思います。
自分にとって大切なテーマを一つ選ぶだけでも、候補者の違いは見えてきます。給食、子育て、通院の足、防災、働く場所。そこから、「誰が対象か」「いつ、どう始めるか」「お金と人をどう確保するか」を確かめてみてください。
市会議員として、私は税金の使い方を点検し、地域の暮らしを支え、将来世代への責任を果たす市政を求めています。投票前の比較が、当選後の公約を確かめることにもつながればと思います。
投開票日は2026年10月18日。選挙公報の原文と候補者自身の説明を、ぜひ読み比べてみてください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
日本維新の会横浜市会議員団
柏原すぐる

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