【視察報告】千葉豪雨の被災現場へ。横浜・鶴見の豪雨対策にどう生かすか

こんにちは。
横浜市会議員(鶴見区)の柏原すぐるです。

9月10日、神奈川維新の会として、「令和8年8月千葉豪雨」で大きな被害を受けた千葉県市川市の被災現場を視察しました。

松沢成文参議院議員をはじめ、櫛田尚子横浜市会議員、大山しょうじ横浜市会議員、大川しんさく小田原市議会議員(神奈川維新の会総務会長)、そして私・柏原すぐるが参加しました。

市川市役所では田中甲市長にもお出迎えいただき、今回の豪雨による被害状況や、市がどのように対応したのかについて説明をいただきました。

その後、市川市の危機管理、下水道などを担当する職員の皆さんに同行いただき、実際に被害のあった道路、アンダーパス、河川などを回りました。

今回、私が特に確認したかったのは、

「同じような豪雨が横浜、そして鶴見で降ったときにどうなるのか」

という点です。

鶴見区にも、鉄道などの下を通るアンダーパスや周囲より低い道路があります。

また、鶴見川をはじめとする河川、下水道、道路、住宅地が複雑に関係しています。

市川市で実際に起きたことは、決して他都市だけの問題ではありません。

▼ショート動画でも視察の様子を報告しています
https://youtube.com/shorts/LoCD_0mdD6g?si=rtqAFTMuxk5Dho7D

■最大時間雨量67.5mm。排水能力を超える雨

市川市では今回の豪雨で、北消防署の観測による最大時間雨量が67.5mm、総雨量が208.5mmとなりました。

説明いただいた主な被害は、

・死者 1名
・床上浸水 94戸
・床下浸水 112戸
・事業所浸水 34か所
・交通規制 11か所
・道路上の被災車両 最大27台

避難所は15か所が開設され、76人・46世帯が避難したとのことです。

現場で特に印象に残ったのは、既存の排水施設の能力を超える雨が、短時間に集中して降ったということです。

説明では、時間50mm程度の雨を想定した施設に対し、今回は最大67.5mm。

さらに、その前後の時間帯にも強い雨が続きました。

ポンプや雨水管が正常に機能していても、その能力を超える量の雨が一気に流れ込めば、排水は追いつきません。

横浜でも、まさに考えておかなければならない課題です。

■アンダーパスでは車両が水没

市川市内では、原木地下道などのアンダーパスを視察しました。

今回の豪雨ではアンダーパスに水がたまり、複数の車両が水没しました。

現場には排水ポンプや、冠水を知らせる表示設備などが設置されています。

それでも、短時間に想定を超える雨が降ると、排水が追いつかなくなります。

また、冠水を知らせていても、「まだ通れるだろう」と車が進入してしまうケースもあるとのことでした。

鶴見区にも、鉄道などの下を通るアンダーパスや架道橋があります。

私自身もこれまで、鶴見区内の架道橋の浸水対策について横浜市に確認してきました。

重要なのは、

「冠水してから対応する」のではなく、
「冠水する前に把握し、止める」

ということです。

水位センサーや監視カメラ、排水設備だけでなく、どの時点で通行止めにするのか、ドライバーにどう危険を伝えるのか。

市川市で実際に起きた被害を踏まえ、横浜市の対応も改めて確認していきたいと思います。

■普段は小さな川でも、一気に危険な状態に

今回、亡くなられた方が確認された二俣川周辺や、大柏川などの河川も視察しました。

普段見ると、それほど大きな川には見えない場所もあります。

しかし、短時間に猛烈な雨が降れば、河川の水位は一気に上昇します。

さらに道路も冠水すると、どこまでが道路で、どこからが川なのか分かりにくくなります。

現地では、当時25~30cm程度の道路冠水があった場所についても説明を受けました。

数十センチの水でも、徒歩で移動する人にとっては大きな危険になります。

特に高齢者や子どもなどにとっては、より注意が必要です。

鶴見にも、鶴見川だけでなく、支流や水路、低地があります。

大きな河川だけを見るのではなく、

「地域の中で、どこに水が集まるのか」

という視点で備える必要があると改めて感じました。

■ハード整備には時間がかかる

大町地区では、周囲より土地が低く、雨水が集まりやすい道路も視察しました。

現在、マンホールポンプなどによって雨水を排出していますが、大規模な豪雨ではその能力にも限界があります。

抜本的な対策として、離れた河川まで約700mにわたって排水ルートを整備する計画が進められているとのことでした。

ただ、大規模な下水道や河川整備には数年単位の時間がかかります。

これは横浜でも同じです。

雨水幹線、ポンプ、調整池などのハード整備は重要ですが、すべてを短期間で完成させることはできません。

だからこそ、その間にも、

・水位を早く把握する
・危険な道路を早めに通行止めにする
・市民に迅速に情報を届ける
・必要な人に避難情報を確実に伝える

といったソフト面の対策を組み合わせることが重要です。

■水は「市境」で止まらない

今回の視察で、もう一つ非常に参考になったのが、自治体をまたいだ治水・排水対策です。

市川市の水路や河川は、松戸市や船橋市など周辺自治体ともつながっています。

市川市内に降った雨だけでなく、上流側の自治体に降った雨の影響も受けます。

当然ですが、水は行政区域の境界で止まってくれるわけではありません。

これは横浜でも同じです。

河川には、横浜市が管理するものだけでなく、神奈川県や国が管理するものもあります。

道路、下水道、河川と担当が分かれていても、水は一つにつながっています。

市、県、国、隣接自治体が連携し、

「流域全体で、水をどう流し、どう貯めるのか」

という視点で考えることが重要です。

■災害の後の生活再建まで考える

市川市では、発災後の生活再建についても様々な対応が行われていました。

罹災証明書などの発行、災害ごみの回収、浸水した住宅の消毒、排水作業、被災世帯への見舞金、被害を受けた事業者への支援などです。

浸水した冷蔵庫や洗濯機、畳などは、水を吸うと非常に重くなり、自分たちだけで処分することが難しくなります。

住宅の消毒についても、床上・床下の状況に応じた対応が必要になります。

災害対応は、雨が止んだら終わりではありません。

むしろ、その翌日から始まる市民生活の再建を、行政がどこまで迅速に支えられるのかも重要です。

横浜市でも、大規模な浸水が発生した場合を想定し、

「発災後の生活をどう立て直すのか」

まで準備しておく必要があります。

■市川の経験を、横浜・鶴見へ

今回、被害を受けたアンダーパスや道路、河川を実際に見ながら、市川市の職員の皆さんから当時の状況や対応について直接伺うことができました。

横浜・鶴見に置き換えて考えると、確認しておかなければならないことは少なくありません。

アンダーパスが冠水する前に、危険を把握できるのか。

どの段階で通行止めにするのか。

ポンプの排水能力を超える雨が降った場合にどう対応するのか。

河川、下水道、道路の担当部署が十分に連携できているのか。

災害後のごみ処理や消毒、生活再建支援を迅速に行えるのか。

今回の現場を見て、改めて感じたのは、

「想定を超える雨は降る」

ということを前提に備える必要があるということです。

もちろん、雨水幹線やポンプ、調整池などのハード整備を着実に進めることは重要です。

一方で、それには時間も費用もかかります。

だからこそ、ハード整備とともに、監視、情報発信、早期の通行止め、避難など、命を守るためのソフト対策も同時に進めていかなければなりません。

視察して終わりではありません。

今回、市川市で学ばせていただいたことを持ち帰り、横浜市の浸水対策、特に鶴見区内のアンダーパスや低地、河川周辺について改めて確認し、必要な改善につなげていきます。

災害から市民の命と暮らしを守るために。

現場を見て、課題を確認し、一つずつ具体的な対策につなげてまいります。

ご対応いただいた田中甲市長、市川市職員の皆さま、関係者の皆さま、ありがとうございました。

横浜市会議員(鶴見区)
柏原すぐる

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