豊岡町複合施設、事業者が決定。次は「設計」と「地域とのつながり」がカギに

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

令和8年9月3日に開催された「区づくり推進横浜市会議員会議」で、(仮称)豊岡町複合施設再編整備事業の最新の進捗が報告されました。豊岡小学校(鶴見区)の建て替えをきっかけに、鶴見図書館、鶴見保育園、つるみ区民活動センター、鶴見区地域子育て支援拠点などを一つにまとめ、鶴見駅にほど近い立地を生かした複合施設として整備する、公民連携手法(PFI事業)による大きなプロジェクトです。

「うちの子が通う学校、これからどうなるんだろう」「工事の間は大丈夫なの?」と気になっている保護者の方も多いと思います。今回は、資料の内容と合わせて、私が9月3日の会議で確認・要望した点も含めてお伝えします。

豊岡町複合施設の整備イメージ(提案時点の想定パース)
整備イメージ(提案時点の想定パース)/左上:豊岡通りからの外観、右上:図書館内観、左下:校庭からの外観、右下:小学校内観

「未来を紡ぐ・豊岡グループ」が事業者に決定

8月6日に落札者として正式に決定したのは、「未来を紡ぐ・豊岡グループ」です。建設だけでなく、設計、維持管理、そして施設の運営まで含めて、約20年間という長期にわたって関わる事業になります。

参加区分商号又は名称本事業における役割
代表企業佐藤工業株式会社横浜営業所建設
構成企業奈良建設株式会社建設
構成企業三洋装備株式会社維持管理
構成企業株式会社有隣堂運営
構成企業プロジェクトブレイン株式会社SPC統括管理
協力企業株式会社奥野設計設計
協力企業パシフィックコンサルタンツ株式会社横浜事務所設計

落札額は約189億9,606万円(消費税及び地方消費税相当額を含む)。今後は10月に仮契約、12月に市会の議決を経て事業契約を締結し、その後、設計・工事へと進んでいく予定です。

施設の提案コンセプトとしては、「未来を紡ぐ・豊岡協創拠点 TOYOOKA Woven Base」が示されています。「織る=施設機能連携」「編む=コミュニティ形成」「紡ぐ=新たな物語の創造」という考え方です。

※これは現時点ではあくまで事業者の提案コンセプトであり、最終的な施設名称や愛称として決定したものではありません。

どんな施設になるのか

提案コンセプト「未来を紡ぐ・豊岡協創拠点」と施設概要
提案コンセプトと施設概要(提案時点の想定)

現在の提案では、複合棟は7階建て、延べ面積は約13,363㎡です。1〜4階を主に小学校、1階に保育所、5〜7階には図書館・区民活動センター・地域子育て支援拠点などの市民利用施設を配置する計画となっています。

階ごとの施設計画
施設計画(各階のフロア構成・提案時点の想定)
  • 1〜4階(小学校):主体性や共に探究することを支える児童の居場所として、各階に共同学習スペース(ラーニングコモンズ)を設置。「交流のひろば」として屋外テラスも設けます。
  • 1階(保育所):1階に集約し、明るく安全な保育空間に。
  • 5階(図書館ほか):児童書・親子のフロア+屋外テラス。小学校の学校図書館を隣接させ児童書コーナーと連携するほか、子育て世代が長時間滞在しやすいよう飲食エリアも設置。
  • 6階:賑わい・交流・活動のフロア。多目的ホールで講演会や市民活動、地域イベントを実施するほか、日常的に情報発信やグループ活動ができるスペース、ティーンズエリアも設けられます。
  • 7階:一般書架、閲覧、学習のフロア。集中して読書・学習に取り組める場所として計画されています。

学校図書館と一般の図書館を隣接させたり、施設間でさまざまな活動を連携させたりと、「同じ建物に入っている」だけではなく、複合化のメリットを実際に生み出していく提案になっています。

私からは、4つの点を確認・要望しました

今回の会議では、完成後の姿だけではなく、これから設計・工事を進める中で気になる点についても確認しました。

1.工事中のグラウンド利用と「倉庫」の問題

今後の工事期間中、現在の校庭は利用できない時期が生じ、近隣公園を使用することが予定されています。最終的な体育館棟と校庭の供用開始は令和15年秋頃の予定で、かなり長期間にわたる工事になります。

ここで重要なのが、単に「代わりのグラウンドを確保しました」で終わらせないことです。体育や学校活動で使う用具をどこに保管するのか。毎回学校から運ぶのか。雨天時はどうするのか。誰が鍵を管理するのか。

以前、別の学校の工事に伴い新鶴見公園を使用した際、こうした倉庫や備品保管の段取りが十分ではなかったという話も聞いています。工事が始まってから困るのではなく、実際に使う先生や子どもたちの動きを想定して、早い段階から具体的に準備してほしいと伝えました。

2.建設中の日照への影響

もう一つ気になっているのが、工事中を含めた日照の問題です。今回の複合棟は7階建ての計画で、新しい建物は現在の学校敷地の南側に建つことになります。また、実際の工事では建物本体だけでなく、足場や仮設設備なども設置されます。

特に冬場は太陽高度が低くなるため、既存校舎や子どもたちが過ごす場所への日照の影響は丁寧に確認する必要があります。完成した建物だけではなく、何年間も続く工事期間中の学校環境も「教育環境」です。設計・施工計画を進める中で、日照や学校生活への影響を確認し、必要な対策を検討してほしいと求めました。

3.施設名、サイン、アイコン。施設全体の「VI」はどうするのか

私が特に確認したのが、施設全体のビジュアルアイデンティティ、いわゆる「VI」についてです。複合施設になると、「小学校」「図書館」「保育所」「区民活動センター」「子育て支援拠点」と、それぞれ違う部署・組織が入ります。

その結果、何も考えずに進めると、施設名、看板、案内サイン、色、アイコン、ホームページなどが、それぞれバラバラにつくられてしまう可能性があります。しかし、利用する側から見れば一つの施設です。サインやアイコン、色使い、案内表示、施設名称や愛称も含めて、施設全体を一つの体験として考える必要があります。

資料でも、開館に向けた地域との関係づくりとして「案内サインの検討」が挙げられていますが、今回の資料には最終的な正式名称や愛称については示されていません。私自身、民間時代に施設整備のプロジェクトに関わってきた経験からも、こうした部分は完成直前になって考えるのではなく、基本設計の段階から市役所側がしっかりグリップを持つことが重要だと考えています。会議でもその点を確認し、施設全体として統一感を持って検討していくことを求めました。

4.事業者の「顔が見える」進め方に

今回、事業者が決まったことで、ここからは市役所と地域だけでなく、実際に20年近くこの施設に関わる民間事業者との関係も重要になります。資料でも、施設開館に向けたワークショップの開催や、運営サポート交流会、地域の活動団体との連携、地域イベントへの参加などが提案されています。

これはぜひ、実際にやってほしいと思っています。事業者の名前だけが資料に載っていて、地域の皆さんからすると「誰がつくっているのか分からない」という状態にはしてほしくありません。設計者はどんなことを考えているのか。運営事業者はどんな施設にしたいのか。地域からどんなことを聞きたいのか。もっと早い段階から顔の見える関係をつくることで、地域側からも具体的なアイデアが出しやすくなります。会議では、今後ワークショップや設計説明会なども企画していく予定であることが示されています。

地域連携・事業者からの提案例
事業者から提案されている地域連携・まちづくり関係の企画例

地域との意見交換も始まっています

8月26日には、豊岡地区連合会、豊岡小学校PTA、豊岡商店街、鶴見西口協議会、三角大通り共栄会、つくの商店街、豊岡小学校などが参加する意見交換も行われています。

また、鶴見図書館、つるみ区民活動センター、地域子育て支援拠点の利用者を対象としたアンケートも実施されています(実施期間:令和8年3月〜8月)。

資料では、施設の整備状況を地域と共有するだけでなく、セキュリティゾーン、地域交流室やPTA室の配置、案内サイン、歩行者動線、地域との交流、防災、開館前のワークショップなどについて、地域との意見交換を行っていく考えも示されています。

全体スケジュール

全体スケジュール(新築工事・既存豊岡小学校・定期借地の工程表)
全体スケジュール(新築工事・既存校舎の解体・定期借地の工程表)
時期内容
令和8年10月仮契約締結
令和8年12月事業契約締結(市会の議決が必要)
令和8〜15年度設計・工事・解体・校庭整備等
令和12年8月頃小学校校舎(夏休み明け)供用開始
令和12年10月頃図書館・保育所等 供用開始
令和15年秋頃体育館棟・校庭 供用開始
今後のスケジュール(契約・設計・工事)
今後のスケジュール(契約・設計・工事の詳細な流れ)

令和9年度には基本設計・実施設計が進められ、その中でワークショップや設計説明会なども企画される予定です。令和10年度からは準備工事・建設工事が始まり、この時期から校庭が一部使用できなくなる見込みです。

令和12年の開館へ。今だからこそ言えることがある

まだ先のようにも見えます。しかし、施設づくりでは、実際に建物が出来上がってから変えようとしても遅いことがたくさんあります。これから基本設計、実施設計へと進む今の時期だからこそ、地域の声を具体的な設計や運営に反映できる余地があります。

「大きな施設ができた」で終わらせるのではなく、学校、図書館、子育て、地域活動、商店街、そして地域の皆さんが自然につながる場所にできるか。引き続き、工事期間中の子どもたちの環境も含めて、現場を確認しながら議会でも取り上げていきたいと思います。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団

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