鶴見土木事務所がZEB Ready認証を取得|既存公共施設の省エネ改修第1号、議会で効果と今後の展開を質しました

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

少し時間が経ってしまいましたが、昨年(令和7年)10月20日の決算第一特別委員会・建築局審査での質疑について、ご報告いたします。

取り上げたのは、地元・鶴見区にある鶴見土木事務所のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修です。鶴見土木事務所は、横浜市にとって既存公共建築物のZEB化第1号となる重要なプロジェクト。令和7年2月に工事が完了し、半年間の運用データも揃ってきたタイミングで、その効果と今後の展開について議会の場で質しました。


なぜ鶴見土木事務所のZEB化が重要なのか

「ZEB(ゼブ)」と聞くと、何やら難しそうに感じるかもしれません。簡単にいえば、省エネ性能を高めて、建物のエネルギー消費を大きく削減した建物のことです。

ZEBにはいくつかのレベルがあります。

  • 『ZEB』:省エネ+創エネで0%以下まで削減
  • Nearly ZEB:省エネ+創エネで25%以下まで削減
  • ZEB Ready:省エネで50%以下まで削減 ← 鶴見土木事務所はこれを達成
  • ZEB Oriented:延べ面積10,000㎡以上の建物向け

横浜市庁舎や横浜武道館も、鶴見土木事務所と同じ**「ZEB Ready」**を達成しています。市役所のような新築の大規模建築物がZEB化するのと、既存の小規模事務所が改修でZEB化するのとでは、難易度も意味合いも大きく異なります。

横浜市が抱える公共建築物は約2,600施設、総床面積は約1,000万㎡にも及びます。これらをいかに省エネ化し、長寿命化していくかは、脱炭素はもちろんのこと、財政負担の軽減という観点でも極めて重要な政策課題です。

維新としても、「公共インフラの効率化と将来コスト削減」は一貫して重視してきたテーマであり、鶴見土木事務所の取り組みがどれだけの実効性を持つのか、しっかり議会で確認すべきだと考えました。


現地視察の印象──「最小限の投資で最大の効果」

質疑に先立ち、改修工事完了後の鶴見土木事務所を視察させていただきました。

現地で印象的だったのは、目新しい設備更新というよりも、効果的な対策を厳選し、最小限の投資で最大の効果を狙った改修だったという点です。

具体的に行われた改修は以下の通り

  • 屋上の外断熱(防水シート+補強板+断熱材)
  • アタッチメント付Low-E複層ガラス(窓の断熱性能向上)
  • 各部屋にパッケージ形の空調機
  • 照明のLED化

派手さはありませんが、実用本位で、効果が見える形でコストをかけた改修だと受け止めました。


議会で5点を質しました

① 改修のこれまでの取組と工事完了後の現状

公共建築部長の答弁は次の通りです。鶴見土木事務所のZEB化改修は令和4年度に検討を開始し、6年度にZEB認証を取得のうえ改修工事に着手、7年2月に工事を完了。施設の長寿命化対策として実施する屋上防水、窓、照明、空調等の改修に際して、省エネ性能の高いものを効果的に組み合わせることでZEB Ready水準の建物として整備することができたとのことです。

長寿命化対策と省エネ改修をワンセットで進めた点が、この事業の賢さです。どうせ修繕するなら、その機会に省エネ化もしてしまう。「無駄なく、合理的に」という発想は、維新が大切にしてきた行政のあり方そのものだと感じました。

② 省エネ効果と具体的な削減実績

ここが最も気になる数字です。

公共建築部長の答弁は、「工事完了後の半年間の運用において、改修前と比較すると、電気やガスの使用量で約6割弱、料金で5割弱の約120万円が削減された」というものでした。

整理すると:

  • エネルギー使用量:約60%弱の削減
  • 光熱水費:約50%弱、約120万円の削減(半年間)

年換算すれば約240万円規模の削減が見込まれます。これは小さな金額ではありません。仮に同等の改修を多くの施設に展開できれば、市全体で大きな財政効果につながります。

③ ユーザーの快適性・満足度の評価

数字だけがすべてではありません。視察の際、改修工事前から鶴見土木事務所にいる副所長にお話を伺ったところ、「特にこの暑い夏は空調の効きが格段に良くなり、大変快適になった」と大変喜ばれていました。

ZEB化の効果はエネルギー削減だけでなく、職場としての環境改善や利用者満足度の向上にもつながる──そう実感しました。

公共建築部長からは、「夏季および冬季の空調シーズン終了後、職員や利用者を対象に、室内環境の改善状況、空調・照明設備の使いやすさ、工事中の業務への影響、ZEB化を契機とした環境意識の変化などについてアンケート調査を実施する予定」「これらのアンケート結果に加え、光熱水費の削減量等の定量的なデータを総合的に分析し、事業を多角的に評価していく」との答弁がありました。

コスト・性能・快適性の3つを揃えて評価していく方針は、納得感があります。今後の評価結果も注視してまいります。

④ 長寿命化工事の対象施設の全体像

「鶴見土木事務所はうまくいった。では、これからどれだけの施設を改修していくのか?」──この問いを投げかけました。

公共建築部長の答弁は、対象施設は約860施設。地区センターやスポーツセンターなどの市民利用施設、地域ケアプラザなどの社会福祉施設、区役所、土木事務所などの庁舎・事務所まで、用途や規模は多岐にわたるとのことです。

860施設──これを従来の発注方式だけで、限られた人員と予算でこなしていくのは、率直に言って至難の業です。だからこそ、発想の転換が必要になります。

⑤ ESCO事業による複数施設一括方式の活用

そこで取り上げたのが、ESCO事業です。

ESCO事業とは、民間事業者の資金・ノウハウを活用して省エネ改修を一括で行い、削減できた光熱水費からサービス料を支払う仕組みです。横浜市では昨年度、初めて複数施設(大場みすずが丘地区センター、磯子土木事務所の2施設)のZEB化を目指すESCO事業を公募し、事業者を選定しました。

提案内容は以下の通り:

  • 両施設ともZEB Readyを達成(BEI値はそれぞれ0.49、0.48)
  • 省エネルギー率37.0%
  • CO₂排出削減量:約51t-CO₂/年
  • 光熱水費削減額:約440万円/年
  • サービス料支払期間:10年間

民間の創意工夫を活かしながら、複数施設を一括で改修できる──まさに**「官から民へ」「スピードと効率」**を体現する手法です。

局長の答弁は、「複数施設を一括して発注することで、スケールメリットを生かしつつZEB化を促進することができる」「ESCO事業は選定に時間を要し、参加事業者も限られるといった側面もあるため、今後は従来の発注方式を基本としつつ、併せてESCO事業を活用することでZEB化を加速していきたい」というものでした。

ESCO事業の特性(時間と参加者の制約)も率直に踏まえつつ、従来手法とESCO事業の二本立てで加速させる方針が明確に示された点は、前向きに受け止めています。


副市長答弁──ZEB化を強力に推進

最後に、ZEB化全体について建築局が中心となって一層推進すべきという観点から、副市長の見解を質しました。

副市長の答弁は、「これまで、鶴見土木事務所をはじめ、既存施設に対するZEB化改修を7施設で進めてきた」「施設を稼働させながらZEB化改修を進める手法や、費用対効果など、実践的かつ有益な知見が蓄積されつつある」「こうした知見を庁内全体で共有し、公共施設の省エネと快適性の向上の両立を図るZEB化を強力に推進していきたい」というものでした。

「強力に推進」という言葉が答弁で出てきたことは、これまでの議会での働きかけの積み重ねの一つの成果として、受け止めています。


おわりに──公共建築物の「賢い更新」を加速させる

改めて整理すると、今回の鶴見土木事務所のZEB化は、

  • 半年間で光熱水費を約120万円削減(年換算約240万円)
  • エネルギー使用量を約60%弱削減
  • 職員・利用者の快適性も大きく向上
  • 長寿命化対策と省エネ改修をワンセットで実施

という、コスト・性能・快適性のすべてで成果を上げた事業として、第一号にふさわしい結果が出ています。

そして、この成功を約860施設という大きな対象にどう展開していくか──ここからが本当の勝負です。ESCO事業のような民間活用、スケールメリットを活かした一括発注、新技術(BIM等)の活用──ありとあらゆる手法を組み合わせて、スピード感をもって展開していくことが求められます。

維新としても、「公共建築物の賢い更新」は、脱炭素と財政健全化を両立させる重要な政策テーマとして、引き続き議会の場で提言してまいります。

地味ですが、毎日の市民生活と将来世代の負担に直結する分野です。引き続き、現場を歩き、数字を確認しながら、丁寧にお伝えしてまいります。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

柏原すぐる

LINE公式アカウントで情報発信やご意見・問い合わせの受付を行っています。

ぜひお友達に追加してみてください。


友だち追加

Instagram

X(旧Twitter)

へのフォローもよろしくお願いします。

日頃は、桜木町駅すぐそばにある横浜市役所6階にある議員室にいます。アクセスはこちら

気軽にコンタクトくださいませ。

柏原すぐる公式ホームページ

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

キャプチャを読み込んでいます...