横浜市・放課後キッズクラブの盗撮事案|昨年からの対策と今後の課題

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

横浜市の放課後キッズクラブで、児童への盗撮被害が疑われる事案が公表されました。子どもたちの安全を守るべき場所で起きたことを、重く受け止めています。被害に遭った子どもたちを守れなかったことに、議員として申し訳ない思いです。子どもたちとご家族へのケアを最優先にする必要があります。

学校で進めてきた安全対策を、放課後の居場所にもつなげる。市長部局と教育委員会が一体で点検し、対策を進めるべきだと考えます。この記事では、今回の公式発表と、昨年からの対策の経過、今後確認する課題を整理します。

※2026年10月7日時点の公表資料に基づく記事です。今回の事案は捜査中であり、未確定の事実は断定していません。

横浜市の放課後キッズクラブで公表された盗撮事案

横浜市の10月6日の発表によると、今年5月の保護者からの相談をきっかけに警察が捜査し、施設で盗撮されたとみられる40~50人程度の児童の画像を、運営法人に勤務していた職員が所持していたことが9月に確認されました。相談時点で、その職員は既に当クラブを退職していたとのことです。

市は運営法人に、捜査への協力、子どもと保護者への誠実な対応、心のケア・相談体制の整備、再発防止を指導しています。法人は施設の緊急点検や保護者への説明などを進めています。また、市は全ての放課後キッズクラブ等に私用端末の児童活動場所への持込み禁止を周知し、安全管理体制を再点検する方針です。

出典:横浜市・2026年10月6日記者発表(資料PDFへのリンクを含む)

昨年の教員による盗撮・SNS共有事件後、何をしてきたか

昨年の教員による盗撮・画像のSNS共有などの事件を受け、教育委員会は「学校を安全・安心な環境にするための総合対策パッケージ」を示しました。私は2025年8月26日の臨時のこども青少年・教育委員会で質疑し、翌日のブログで報告しています。

会派としても緊急要望を提出し、市長・教育長から回答を受けました。私用端末の管理、被害児童と学校現場への支援、複数の教員による見守り、施設の点検などを求めてきました。委員会では校内の死角への防犯カメラ設置の検討や、チーム担任制の推進についても提案しています。

▶昨年の対策パッケージと、私の委員会での質疑・提案はこちら

13項目の対策はどこまで進んだか

2025年12月22日の総合教育会議資料では、当初の13項目はすべて着手済みで、順次検証段階へ移ると報告されています。主な内容をまとめると、次のとおりです。右の列は資料の記載とは別に、私が今後確認したい点です。

対策2025年12月の報告内容今後確認する点
研修・職場づくり犯罪学の研修、学校組織の研修、教職員向けLINE相談窓口を実施・開設。研修が日々の行動や相談のしやすさにつながっているか。
子どもの相談・支援専門相談窓口、いのちの安全教育、端末を活用した相談申込みを展開。子どもが安心して相談でき、必要な支援につながっているか。
私用端末・撮影データ撮影等のガイドラインを策定。私用携帯端末の業務利用禁止と代替手段を検証。ルールの遵守と、業務に必要な代替手段の確保。
端末管理の設備2025年10月、管理ボックスと校内インターホンをモデル校に試行導入。試行結果と、その後の展開範囲。
隠しカメラの点検2025年10月、専用捜索機器を使った点検を全校で実施と報告。継続的な点検の頻度・方法と放課後の使用場所への反映。
複数の職員による見守りチーム学年経営・チーム担任制の全小学校への展開を検討。見守りの実施状況とキッズクラブとの連携。

出典:2025年12月22日・横浜市総合教育会議資料(PDF、資料内6~8ページ)

「着手済み」は、全ての対策が全校に導入され、効果が確認されたことを意味しません。試行や検討が続くものもあります。現場への定着と効果の検証まで、進捗を確認していく必要があります。

2026年にも相談の仕組みを拡充

教育委員会の進捗ページには、今年1月20日にSNSと人権に関する研修を実施したこと、8月28日から横浜St☆dy Naviを通じて学校内のスクールカウンセラーや学校外への相談申込みができるようになったことが掲載されています。子どもが相談先を選びやすくする取組も進んでいます。

出典:横浜市教育委員会・対策の状況

防犯カメラの設置と、隠しカメラの捜索は分けて確認

昨年の委員会では、外部からの侵入だけでなく、学校内部で犯罪が起こる可能性を前提とした対策が必要だと考え、校内の死角への防犯カメラ設置の検討を求めました。

今回確認した公開資料では、その後の検討結果や、校内の死角への設置が何校・何台の増設につながったかまでは確認できていません。これは「増設されていない」と断定するものではなく、別途確認が必要な点です。

隠しカメラを探す機器による点検と、見守りのための防犯カメラを設置することは、別の取組です。設置を検討する際には、子どものプライバシーを守り、設置場所、閲覧権限、映像の保管・削除を含めて慎重に設計する必要があります。

市長部局と教育委員会が一体で、授業中から放課後まで守る

放課後キッズクラブは、小学校施設を活用する公設民営の事業です。運営法人の責任に加え、市の所管は市長部局のこども青少年局です。横浜市の事業案内はこちら。

子どもたちは同じ学校施設で、授業中も放課後も過ごしています。所管や雇用主が違っても、安全を守る取組は一体であるべきです。学校で蓄積した知見をキッズクラブに共有し、キッズクラブで見つかった課題も学校側に戻す仕組みが必要だと考えます。

今回の発表だけでは、昨年の対策がキッズクラブの運営法人や職員にどこまで共有・反映されていたのか、十分には分かりません。対策が現場で機能していたかを、具体的に確かめたいと思います。

今後、確認していくこと

  • 昨年からの対策をキッズクラブに共有した時期・内容と、実施確認の方法。
  • 私用端末の保管、撮影・画像管理のルールが守られていたか。
  • 施設点検と複数職員による見守りを、学校とキッズクラブがどう連携して行うか。
  • 子どもと保護者が相談しやすく、必要なケアにつながる体制。
  • 校内の死角への防犯カメラ設置の検討結果と、試行・導入の状況。

私は現時点で、報道と公表資料を通じて今回の事案を把握している段階です。捜査で明らかになる事実を踏まえつつ、再発防止策の実施状況と効果を確認していきます。

子どもたちが安心して過ごせる環境を、授業中から放課後まで市全体で守る。そのために、市長部局と教育委員会の連携を求め、取組を進めていきます。

昨年の委員会で何を質問し、どのような答弁があったか(会議録から引用)

2025年8月26日のこども青少年・教育委員会での私の質問・提案と、行政側の答弁を、正式な会議録から引用します。各発言の関連部分を抜粋しており、引用文の表記は原文のままです。

出典:横浜市会会議録検索システム/令和7年こども青少年・教育委員会・8月26日-07号(57~61ページ)

防犯カメラの設置についての質問と答弁

学校の防犯を外部からの侵入対策だけで捉えず、内部で起きる犯罪への備えも考えるべきだと述べたうえで、設置の検討状況を質問しました。

柏原すぐる委員(会議録57ページ・抜粋)

そこで確認ですけれども、この防犯カメラについては、特段、横浜市教育委員会としては設置の検討は今していないということでよろしいでしょうか。

三島教育行政監(会議録58ページ・抜粋)

御提言ありがとうございます。先ほど引用されました市の計画でイメージしているような防犯カメラについては、ほぼ全ての小中学校で設置は済んでおります。委員御指摘のとおり外部からの侵入を防ぐという目的で設置しているものですけれども、昨今の事案を考えると、例えば、勤務時間外に忍び込んで盗撮カメラ設定するようなケースもあるかもしれませんので、そういったことに対する抑止力としても有効だというふうには考えております。

それ以外の一般の教室についても検討はしたのですけれども、やはり有識者の意見を聞くと、例外なくすべからく設置してしまうと児童を委縮させることも考えられると。また、特に小学校の場合だといろんな教室で着替えもするからなかなかデータの管理も難しくなってしまうというような御意見も頂いております。ただ、例えば、委員も先ほどおっしゃいましたが、死角、学校は広いところですからどうしても人の目の届かないところというものは生じる可能性がありますので、そういったところに限定して設置するということは有意義かというふうには、まだちょっとスタディー段階ですけれども考えておりました。今後の検討課題として認識しております。

試行・効果検証と、予算措置について

柏原すぐる委員(会議録59ページ・抜粋)

その観点からすると、例えば新設校とかできるところから、新設であれば非常に工事も安価にやりやすかったりとかいろんなトライアルもしやすいと思いますので、そうしたところからぜひ取り組んで、それを効果検証していくというようなものも、ぜひしていただきたいと思います。

その観点でいくとどうしても予算が必要になってくると思いますけれども、先ほども藤崎委員からもありましたけれども、この財政措置とか補正予算を含めた対応も考えるべきと思いますが、この辺りはどのように考えているか。これはカメラに限らずですけれども教えてもらえますでしょうか。

三島教育行政監(会議録59ページ・抜粋)

総合パッケージのスケジュールのところにも簡単に書きましたけれども、まずは夏休み中にできることはやって新学期は安全な環境で迎えたい。夏休みに間に合わないけれども今年度の予算でできるものについては年度内になるべくやっていこうと。その結果いろいろやってもどうしても予算の関係でできないというものについては、当然、新年度の予算を要求して対応するということなんかも考えております。

したがって、今回、新学期の9月ぐらいから試行的にいろいろ準備、実施する計画がございます。例えば一例を申しますと、教員のスマートフォンを管理するためのボックスを一部の学校に配置して、教室に持ち込ませないようなことなんかも試行することを考えておりますが、こういったものがどれだけ効果があるのかということなんかも検証して、新年度の予算要求につなげていくというところも考えておりますので、また御相談させていただければと思います。よろしくお願いします。

この答弁は総合対策全体の予算や試行についての説明です。防犯カメラの増設が決定した、あるいは実施されたという答弁ではありません。その後の検討結果と導入状況は、引き続き確認が必要です。

所管を越えた対策と、複数教員による見守りについての提案

私立学校への対応を尋ねた際、副市長から県の所管との説明がありました。その後、私は次のように述べています。今回のキッズクラブを念頭に置いた発言ではありませんが、子どもの安全を教育委員会の所管だけで捉えないという問題意識を、昨年から持っていました。

柏原すぐる委員(会議録59ページ・抜粋)

今日は教育委員会ですので、恐らく市内に住んでいる子供たちに対する性犯罪というものに対して、じゃあ、しっかりと県だけで対応できるのか。事案によると思いますけれども、これはこども青少年局も含めたものと思いますので、まずそこで私も議論喚起をしていきたいと思います。

また、チーム担任制については、質問への答弁を求める形ではなく、推進を求める意見として述べています。

柏原すぐる委員(会議録61ページ・抜粋)

すみません、1点言い忘れまして戻ります。これが最後の質問にさせていただきます。24ページです。アプローチ9の複数教職員での見守りというところで、これは意見として申し上げますが、ちょうど令和7年度のモデル校での試行をチーム担任制というものが進んでいるということで、これを全市に全校的に展開していくということが書かれておりますけれども、私としてもこれはぜひ進めていただきたいと思います。

ちょうど試行校のお話を伺う機会も様々ありまして、非常にメリットしかないというような御意見、現場の声もありますし、実際に今日は石川教育次長からも対話を重視していくんだというお話もありましたが、いわゆる教室あるいは生徒児童に対して複数の教員が関わるということで、情報共有も当然、対話のしようもありますし、実際に児童の側も選べるといったらあれですけれども、人なので苦手な先生もいれば話しやすい先生もいるというところで、こうしたことも一つの環境かもしれませんが、当然、人件費のかかることではありますけれども、やはりこうした環境づくりなくしてなかなか学校の現場というのはよくならないのかというふうに感じているところでありまして、私自身としては何かデータでチェックしているわけではありませんけれども、望ましいことだと思いまして意見として申し上げて以上といたします。

こうした昨年の議論も踏まえ、学校と放課後の居場所が連携して子どもを守るために、具体的にどのような対策が現場に届き、機能しているのかを確認していきます。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団

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