横浜市立根岸中学校における部活動の地域クラブ連携について
こんにちは。柏原すぐる（横浜市会議員・鶴見区選出）です。
視察概要
根岸中学校にて、部活動の地域移行に関する取り組みを視察しました。文部科学省が推進する「地域との協働による学校運営」の一環として進められている地域部活動移行の背景を踏まえ、具体的な課題や現場の工夫を確認しました。
なお、横浜市としての事業名は、「令和６年度部活動地域移行推進事業委託（鴨志田中学校ほか 全７部活動）」です。
背景：地域部活動移行の目的と課題
文部科学省は、教員の長時間労働問題を解決し、持続可能な部活動運営を目指して、地域クラブへの移行を推進しています。部活動を学校教育の一環から切り離し、地域の専門家やクラブが担うことで、以下のような効果を期待しています。
- 教員の業務負担軽減
- 地域資源の活用による指導の質向上
- 子どもたちの多様な選択肢の確保
一方で、以下の課題も指摘されています。
- 経済的な格差が生じるリスク
- 指導員の確保や質のばらつき
- 学校教育との連携維持
こうした背景を踏まえ、各自治体や学校で試行錯誤が続けられています。
主な現状の取り組みと今後の課題
- 外部委託の活用
国からの委託金を活用し、白楽にあるGODAIテニススクールの指導者が担当。同校では3年間継続して実施しています（事業は単年度）。保護者からの評価も高く、丁寧な指導が行われています。 - 部活動指導員の役割と課題
平成31年より部活動指導員の身分が変更され、会計年度任用職員として配置されています。人材バンクを活用した人材確保が進む一方、種目や地域によって指導員の不足が課題となっています。 - 地域クラブ化への移行
部活動を地域クラブ化する動きが進む中、学校管理下から外れることで「教育の一環」としての位置づけが薄れる懸念があります。また、受益者負担が発生することで、経済的格差が生じる可能性も指摘されています。
視察で伺った主な内容
- 外部の指導員配置と運営状況
- 地域クラブから派遣された指導員がテニス部を担当し、技術指導や日常の練習をサポートしています。令和6年度から導入された学校連絡システム「すぐーる」を活用して、保護者とも直接連絡が取られています。一方で、大会引率や公式戦の管理は教員が担う必要があり、課題として挙げられています。
- 他の部活動では複数校合同で活動する例も見られ、限られた資源の中での工夫が求められています。
- 顧問や指導者、保護者や地域との連携
- 外部指導員と顧問の間での連携による指導の一貫性確保が行われています。顧問、外部指導員、保護者、学校間で情報が偏在するため、相互の連絡調整が不可欠。
- 休日練習時には教員が指導に関わらない体制が議論されており、地域連携の必要性が高まっています。
- 教員の負担軽減と部活動の未来
- 教員の負担軽減を目的に部活動指導員の導入が進められていますが、現場では依然として教員への依存が大きい状況であり、育児や介護など家庭の事情のある教員にも部活動顧問を担っている現状もあります。
- 「働き方改革」の推進により、教員の負担軽減と地域連携の強化が求められています。
今後の課題
主には以下のような課題に集約されると思います。
- 部活動の地域クラブ化に向けた法整備や財政支援の強化。
- 困窮世帯への経済的支援を含めた受益者負担の緩和策。
- 外部指導員の確保と質の向上、及び地域との連携強化。
視察を終えて
今回の視察を通じて、部活動の地域移行は、教員の負担軽減や地域との連携強化といった大きな可能性を持つ一方、現場における課題も痛感しました。特に、外部指導員の役割や人的あるいは場所等の環境というリソース確保の課題、クラブ化による経済的格差の懸念に対しては、一層慎重に取り組む必要があると感じました。
今後の議会活動に活かして参ります。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会
柏原すぐる
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