【議会質問】総務局へ問う!ペット同伴避難は実現?横浜市立大学の無償化、市役所の働き方、歳出改革etc 決算審査から~

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

10月17日の決算特別委員会の局別審査において総務局に対する質問に立ちましたので、ご報告します。

【質問時のスライド例】寺尾小学校で行われたペット防災講座の様子

【質問時のスライド例】横浜市立大学の入学者に占める市内出身者、卒業生の市内就職の状況

目次

質問のテーマは?

以下の議案に関の質問を行いました。(〇数字は質問の数を表します)

  1. 災害時の安心安全な避難 ④
  2. 横浜市立大学の本市への貢献 ④
  3. ワークモチベーション調査 ④
  4. 令和7年度予算編成の歳出改革基本方針 ①

質問の様子は?(動画があります)

録画映像はこちらからご覧いただけます。

https://gikaichukei.city.yokohama.lg.jp/g07_Video2_View.asp?SrchID=6473

質問の内容は?

質問の概要は以下の通りです。(正式な議事録は横浜市HPに2.3か月後に公表されます)


(1)災害時のペット同行避難対策について

  1. 横浜市の震災対策としてのペット避難
     第1回定例会の予算代表質問において、わが党の串田委員から能登半島地震の発生を受けた本市の震災対策としてペットとの避難についても伺ったところ、ペット同行避難に関しては「防災訓練等を通じて啓発に努める」、ペット同伴避難については「実効性のある対策を検討する」という主旨で市長の答弁がありました。今回はこれを受けて、地域防災拠点におけるペット対策の本市全体での取組状況について伺います。
  2. 鶴見区での取り組み事例
     こちらのスライドは、鶴見区の小学校で行われた地域ケアプラザ主催の災害時のペット対策講座の様子です。各拠点に配備されているペット飼育場所開設キットを使用して実際に開設訓練が行われていました。また、同じく鶴見区江ケ崎町の防災訓練においては、実際にペットの同行避難が行われていました。このように、各区で工夫を凝らした取り組みが進んでいると考えますが、各区の地域防災拠点におけるペット同行避難の訓練事例について伺います。
  3. 災害時のネットワーク構築
     スライドをご覧ください。同じく鶴見区では、災害発生時のペット対策についての勉強会が行われており、右上の図で示されているようなネットワークの実現に向けた規約案も検討されています。こうした取り組みは、鶴見レスキューパウズというペット防災を目的とした団体などの関係団体との連携によって実施されていますが、行政が一方的に主導することなく、互いに助け合えるネットワークを築くことは非常に重要です。そこで、災害時の地域における協力関係の構築に対する所感を伺います。
  4. ペット同伴避難の課題
     ペットと共に過ごせるペット同伴避難については、実効性のある対策を検討し、防災戦略に位置づけるとされていますが、今後検討するにあたりどのような課題があると考えているのか伺います。今回はペット対策に焦点を当てましたが、災害への備えは平時からの積み重ねが重要です。総務局におかれましては、実効性のある防災戦略策定を要望し、次の質問に移ります。

(2)横浜市立大学の市への貢献

  1. 横浜市立大学の決算に対する所感
     第一回定例会の予算総合審査において、我が党の田中委員が横浜市立大学について、「横浜に貢献する大学となることを求めていく」との意見を述べた際、市からも同様の期待が示されました。一方で、令和5年度の決算報告においては、経常損益が約21億円の赤字であり、早期の収支改善が求められています。これが中期計画の初年度ということもあり、今後の運営に懸念が残ります。そこで、まずこの令和5年度決算に対する局長の所感を伺います。
  2. 市内貢献の現状
     評価委員会や常任委員会においても大学の危機意識が共有されていると承知していますが、令和6年度予算においては一般財源から約123億円が運営交付金として計上されています。改めて設置目的である本市への貢献、つまり本市や市民への還元が重要だと考えます。そこで、横浜市立大学の入学生のうち市内出身者の割合、および市内企業への就職者の割合の推移について伺います。
  3. 市内出身者・就職者の減少についての受け止め
     スライドをご覧ください。こちらは局のご答弁内容をまとめた表ですが、年々市内出身者の入学者や市内企業への就職者が減少傾向にあることがわかります。先日、大阪市立と大阪府立大学を統合した大阪公立大学を会派で視察した際、学部生の府内出身者の割合が約45%と伺いました。そこで、局長にこのような数字への受け止めを伺います。
  4. 市内在住者向けの無償化検討
     大阪公立大学では、府内在住の学生を対象に入学金や授業料の無償化を進めていますが、本市においても市民への還元策として市内在住者を対象にした入学金や授業料の無償化を検討すべきと考えます。そこで、仮に無償化を実施した場合の市の負担額について局長に伺います。まずは市立大学の経営改善が最優先ですが、今後の検討項目としてお願いいたします。

(3)ワークモチベーション調査の活用

  1. 調査開始の経緯
     スライドをご覧ください。こちらは平成20年から実施されてきた職員満足度調査の記者発表資料です。この調査は令和2年を最後に終了し、3年後の令和5年度からワークモチベーション調査が開始されています。まず、このワークモチベーション調査を新たに始めた経緯について伺います。
  2. 調査内容の変更点
     スライドに、ワークモチベーション調査票の一部を抜粋して掲載していますが、職員満足度調査から具体的にどのような点が変更されたのか伺います。
  3. 調査結果の活用と公表
     昨年度の調査結果について、個人が特定されない形でフィードバックし、所属部署に対してもフォローアップが行われると聞いております。また、内閣府などではこうした調査結果や取り組みを公表しており、本市においても離職者の増加が見られる中、参考になると考えます。そこで、昨年度の調査結果を今後どのように活用していくのか、また公表の考えについて伺います。
  4. 職場改善の必要性
     昨今では民間企業でも社員のエンゲージメントやウェルビーイングが重要視され、経営上の重要事項として取り組みが進められています。本市でも離職者や休職者が多い現状を踏まえ、ワークモチベーション調査の結果を基に職場改善のフォローアップをより強化するべきと考えますが、局長の見解を伺います。

(4)令和7年度予算編成の歳出改革基本方針

  1. 歳出改革基本方針の重点事項
     スライドをご覧ください。こちらは歳出改革基本方針で、令和6年度との違いを抜粋したものです。「職員の採用が今後厳しくなる状況も鑑み、内部経費の削減をさらに進め、業務効率化を図る必要がある」といった表現が確認されました。また、「市の施策を共に進める外郭団体にも内部経費の見直しを広める観点から重要検討テーマを設定した」とも記載されています。そこで、各局の要望や住民ニーズがある中で、こうした重点事項を実効性あるものにするため、令和7年度の予算編成に向けた歳出改革の進め方を局長に伺います

質問のスライド

質問の際にはこちらのスライドを利用しています。

Suguru Kashiwabaraさんによる20241015_総務局_スライド_柏原

答弁の内容は?

1 災害時の安心安全な避難

(1)災害時の地域防災拠点におけるペット対策の取組状況《危機管理部長答弁》

地域防災拠点では、ペット同行避難を想定し、あらかじめ学校敷地内等にペットの一時飼育場所を設定して受入れを行うこととしています。避難者の中には動物が苦手な方やアレルギーで一緒にいられない方もいますので、ペットの一時飼育場所と人の避難生活スペースを分けること、ペットの世話や衛生管理などを行うため、飼い主同士で協力体制を整えることを推奨し、周知啓発を行っています。

(2)各区の地域防災拠点で行われているペット同行避難の訓練事例《危機管理部長答弁》

令和5年度は、63か所の地域防災拠点で、ペットの受入れを想定した訓練を実施しました。具体的な訓練の一例として、ペット一時飼育場所の確認や設定訓練、ペットを連れた避難者を想定した受付や案内、拠点運営委員や飼い主に向けた啓発用のパネルやペット用非常持ち出し品の展示、ペット防災に関する研修などを実施しました。

(3)災害時に互いに助け合えるつながりづくりに対する所感《危機管理室長答弁》

大地震発生時には特に、自らの命を守る自助と、近隣や地域で助け合い支え合う共助が非常に重要となり、これまで様々な啓発に取り組んできました。災害時に共助が機能するためには、平時からのつながりが大切です。委員から御照会いただきました勉強会のような災害時のペット対策についても、日頃からの地域での研修会や防災訓練などを通じた取組が重要であると考えています。

(4)ペット同伴避難を検討する上での課題《危機管理室長答弁》

一緒に避難してきた飼い主とペットが同じスペースで避難生活を送る、ペット同伴避難の検討を進めるに当たっては、動物が苦手な方やアレルギーがある方などへの配慮が必要です。そのため、生活スペースの選定や他の避難者との動線分け、同伴避難者用の飼育ルールの作成促進といった課題について、地域の皆様をはじめとして関係区局とも連携しながら検討を進めてまいります。


2 横浜市立大学の横浜市への貢献

(1)令和5年度決算に対する所感《局長答弁》

法人の5年度決算でございますが、会計制度の変更があったことにより、当期総利益は黒字となっております。一方で、経常収支では病院部門におきまして26億円の損失を計上しており、経営状況は厳しいと認識しております。こうした状況を受けまして、法人が経営改善に向けた様々な取組を現在進めておりますので、法人の自律性を尊重しつつ、本市として厳しい目も保ちながら、取組を見守ってまいります。

(2)入学生における市内出身者の割合及び市内企業へ就職した学生の割合の推移《大学調整部長答弁》

入学生における市内出身者の割合については、4年度が27.4%、5年度が26.2%、6年度が25.0%となっております。また、市内企業へ就職した学生の割合につきましては、卒業後研修医となる医学部を除きまして、3年度が10.8%、4年度が9.5%、5年度が9.1%となっております。

(3)入学生における市内出身者の割合及び市内企業へ就職した学生の割合に対する所感《局長答弁》

今、先生から大阪との比較ということがございましたけれども、大阪府と横浜市ということで、一概に比較はできないという状況はございますけれども、関西の経済圏の中心である大阪に比べまして、横浜は多くの大学や企業が集積する東京都に近いといった、地理的要因の影響があるのではないかと考えております。ただ、横浜で学ぶ学生の皆様には、横浜に愛着を持ち、横浜で活躍したいと思っていただくことが重要であると考えております。市大では、市内企業と連携いたしました就職活動セミナーなどを行っておりまして、こうした取組が、効果として現れることを期待しております。

(4)市内在住の学生の入学金と授業料を無償とした場合の市の負担額《局長答弁》

国におけます修学支援制度などによりまして、すでに学費の減額・免除といったものを受けている学生は現在おりますけれども、市内在住の学生数を、先ほどお答えをいたしました25%と仮に仮定してということで試算いたしますと、入学金及び卒業までの授業料の本市負担額については、6億円ぐらいになると見込んでおります。


3 ワークモチベーション調査

(1)ワークモチベーション調査を始めた経緯《改革推進担当部長答弁》

令和2年度まで実施していた職員満足度調査ですが、こちらは働き方に関する全庁的な組織改善や、職場における業務改善の取組みを推進するための調査を行っておりました。ワークモチベーション調査は、それらに加えまして、4年度に新たに策定された「行政運営の基本方針」に基づき、職員の「意識」「思考」「行動」の変容や課題認識を把握するための調査として5年度に開始したものです。

(2)職員満足度調査からの具体的な変更点《改革推進担当部長答弁》

意識改革に関するモニタリングとしまして、3つの市政方針である、財政ビジョン、中期計画、行政運営の基本方針の浸透度や中長期的な思考を重視した取組、これらに関する設問等を加えました。また、職員のモチベーションの向上及び市全体の制度改善につなげるため、調査実施後に各所属へのフォローアップを新たに実施いたしました。

(3)令和5年度調査の活用方法と公表《改革推進担当部長答弁》

所属ごとに集計結果を情報提供し、課題の原因は何か、改善に向けてどのような取組が必要か等についての意見交換を各所属において実施いたします。それらを踏まえ、区局ごとに改善に向けた具体的な取組を設定し、実践しているところです。調査結果につきましては、このような職場改善に繋げるための指標とすることが目的であるため、公表はしていません。

(4)「ワークモチベーション調査などのデータに基づき、職場改善に向けて一層のフォローアップをするべき」《局長答弁》

今後、調査結果の経年変化のデータなどを区局統括本部に提供いたしまして、各職場でのさらなる改善に繋げるために、引き続きフォローアップの取組を実施してまいります。ワークモチベーション調査やストレスチェック、超過勤務の状況など職員に関するその他のデータ等も活用しながら、職員一人ひとりがいきいきと働ける職場環境の実現に向けた取組を進めてまいります。


4 令和7年度予算編成の歳出改革基本方針

令和7年度の予算編成に向けた歳出改革の進め方《局長答弁》

2030年度までに減債基金の臨時的活用から脱却し、持続可能な市政運営の実現を進めていくためには、「創造・転換」の観点から施策・事業の選択と集中による新陳代謝や財源確保を図っていく必要がございます。そのため、7年度予算編成におきましては、歳出改革基本方針を徹底いたしまして、中長期的な視点に基づく政策や財源創出の議論を促進するとともに、6年度から取り組んでおりますデータドリブンプロジェクトも活用するなど、各区局が主体的・自律的に取り組めるよう進めていきます。

以上が、答弁内容です!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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