【まとめ】横浜市立学校の給食費は値上げしなくて大丈夫?栄養量、摂取量は足りてるの?

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

思いのほか、反響をいただいきまして、様々にいただいたご意見を踏まえ、横浜市教育委員会の所管課にまずは現状把握のために確認したうえで、情報を整理しましたので、ご報告申し上げます。

【結論】横浜市立小学校の給食の現状と他都市の状況

横浜市の給食費(食材費)は平成30年から4,600円/月のままですが、令和4年度以降は国の臨時交付金を活用し、公費でも食材費を賄っています。文部科学省が定めた栄養摂取基準に基づき、必要栄養量が確保されるように工夫しながら給食を提供しています。他の政令市では給食費の値上げが実施または検討されています。

なお、2023年9月時点で公立小中学校の児童生徒全員の給食費を無償化している自治体は全国の3割、計547自治体です。(文部科学省調査)

そもそも保護者が負担する「給食費」とは?

現行の学校給食法では、設置者(横浜市)が人件費や施設整備費を負担し、その他の経費である食材費を保護者が負担することが定められています。したがって、毎月の給食代4,600円は食材費のみです。

給食費の値上げはしないのか?

横浜市における給食費(月額)値上げの経緯は以下の通りです。

  • 平成10年:3,200円→3,700円
  • 平成21年:4,000円
  • 平成30年:4,600円(現在も同額)

本日、横浜市教育委員会に確認したところ、国による無償化等の議論を注視し、現状での値上げ予定はないとのことです。

食料の物価が上がってるけど、大丈夫なのか?

横浜市では臨時交付金を活用し、令和4年度に1.8億円、令和5年度に8.5億円を公費で負担。今年度は昨年度2月に議決した補正予算6.3億円を活用し、1食あたり269円の保護者負担にプラス14円分を公費で賄っています(5%アップの計算)

一方で、横浜市の消費者物価指数では食料の物価が令和2年度比較で令和6年度は117.3%に上昇しています。

出典:2024年8月分 横浜市・川崎市・相模原市の消費者物価指数速報(令和2年基準)

全国の動向を見てもご覧の通り、2022年(令和4年)からの上昇度合いが顕著です。

出典:農水省「主要国における食料の消費者物価指数の推移(PDF)

単純に考えると、補正予算で5%分補っているけど、足りているの?という疑問は残ります。

なお、川崎市では、来年度から1食270円を320円程度まで引き上げる方針を示しているようです。

参考:川崎市 学校給食費 値上げの方針 物価高騰受け 来年度めど | 多摩区・麻生区 | タウンニュース

給食のための基金とは?

横浜市には「給食費調整基金」があり、令和5年度末で7.4億円の残高があります。

給食費が不足する等の場合には、この基金から補填が可能です。令和3年度・4年度には2億円弱が一般会計に繰り入れられました。

給食費の滞納者っているの?

横浜市の給食費収納率は99.3%で、滞納者は全体の0.7%です。横浜市では、令和5年度から弁護士が電話で滞納者に依頼を行うようになっています。すでに公会計化されているため、担任の先生が滞納督促を行うことはありません。

必要な栄養素や量は確保されているのか?

文部科学省の「学校給食摂取基準」に基づき、成長に必要な栄養素がバランスよく摂取できるよう献立が計画されており、栄養が不足することはない。また、教育委員会や食材財団が連携して、適切な食材選定を行っているというのが、教育委員会としての考えです。

もちろん、計画や計算上の話と、実際に児童が学校で料理を配膳して実際に食べる量というのは別であり、本当に足りているのか?という視点は引き続き持つべき観点だと捉えます。

また、文科省の学校給食実施基準の一部改正に伴う下記の通知文の太文字(筆者による)にあるように、「基準は児童生徒の1人1回当たりの全国的な平均値を示したものであるから、適用に当たっては、児童生徒の個々の健康及び生活活動等の実態並びに地域の実情等に十分配慮し、弾力的に運用すること」が重要であり、横浜市で育つ子どもたちをどう捉えるのかが問われています。

1 学校給食摂取基準の概要
 (1)「学校給食摂取基準」については、別表にそれぞれ掲げる基準によること。
 (2)「学校給食摂取基準」については、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(以下「食事摂取基準」という。)(2020年版)」を参考とし、その考え方を踏まえるとともに、厚生労働科学研究費補助金により行われた循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「食事摂取基準を用いた食生活改善に資するエビデンスの構築に関する研究」(以下「食事状況調査」という。)及び「食事状況調査」の調査結果より算出した、小学3年生、5年生及び中学2年生が昼食である学校給食において摂取することが期待される栄養量(以下「昼食必要摂取量」という。)等を勘案し、児童又は生徒(以下「児童生徒」という。)の健康の増進及び食育の推進を図るために望ましい栄養量を算出したものである。したがって、本基準は児童生徒の1人1回当たりの全国的な平均値を示したものであるから、適用に当たっては、児童生徒の個々の健康及び生活活動等の実態並びに地域の実情等に十分配慮し、弾力的に運用すること。
 (3)「学校給食摂取基準」についての基本的な考え方は、本基準の一部改正に先立ち、文部科学省に設置した、学校給食における児童生徒の食事摂取基準策定に関する調査研究協力者会議がとりまとめた「学校給食摂取基準の策定について(報告)」(令和2年12月)を参照すること。
 https://www.mext.go.jp/content/20201228-mxt_kenshoku-100003354_01.pdf

学校給食実施基準の一部改正について(文部科学省)https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1407704.htm


今回はまず、横浜市立小学校における給食の事実関係や実態をご報告させていただいきました。

今後も何が課題であるのか、実態の把握に努め、改善の提案をしていきたいと思います。

引き続き、お気づきの点等は調査等の仮説構築の手助けになりますので、お知らせいただけると幸いです。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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