生見尾踏切の安全対策|廃止と新たな跨線人道橋の整備、住民説明会で寄せられた声を整理しました

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

JR鶴見駅と新子安駅の間、生麦駅の近くにある「生見尾踏切(うみおふみきり)」。鶴見区生麦地域にお住まいの方や、通勤・通学で利用される方にとって、長年使われてきた生活動線です。

一方で、この踏切は横浜市内でも課題の大きい踏切の一つとされており、現在、横浜市は「踏切を廃止し、代替施設として新たな跨線人道橋を整備する」という方針を示しています。

新たな跨線人道橋のイメージ

令和8年3月27日・28日には、岸谷小学校で住民説明会が開催され、多くの質問やご意見が寄せられました。今回はこの問題の現状と論点を、できる限り客観的に整理しお伝えします。


生見尾踏切とは

生見尾踏切は、JR線をまたぐ2つの踏切で構成されています。

  • 「生見尾(電)踏切」:横須賀線・京浜東北線を横断する踏切。ピーク時の遮断時間は44.3分、1時間あたり最大54本の列車が通過する、いわゆる「開かずの踏切」
  • 「生見尾(旅)踏切」:東海道線を横断する踏切。ピーク時には24.4分遮断

利用状況は、歩行者・自転車が1日約3,667人、自動車等が約436台。地域にとって重要な通行ルートとなっています。

通行にはいくつかの制約があります。

  • 2つの踏切が別々のタイミングで開閉
  • 自動車は1台ずつしか進入できない
  • 高さ制限1.9m
  • 朝夕は車両規制あり

こうした条件から、通過できる時間が限られています。踏切脇には既設の生見尾人道橋がありますが、中央部に階段があるため、車椅子やベビーカー利用者にとってはバリアフリー動線として十分ではないという課題もあります。


なぜ抜本対策が議論されているのか──繰り返される死亡事故

横浜市が抜本対策を進めている背景には、極めて深刻な安全面の課題があります。

市の資料によれば、平成14年から令和7年12月までの間に、生見尾踏切では列車接触事故が7件発生し、そのうち5件が死亡事故となっています。

さらに、歩行者や自動車の影響などで列車が停止した件数は2,088件。年間約90件、約4日に1回のペースで発生している計算です。

私自身、この数字を改めて確認したとき、率直に重く受け止めました。「便利だから残してほしい」というお気持ちは当然です。しかし、この20年余りの間に5名の方が命を落としている現実から目をそらすこともできません

横浜市は、生見尾踏切を「踏切を廃止し、代替施設を整備する抜本対策を行う踏切」と位置付けています。


これまでの経緯

生見尾踏切の議論は、平成25年(2013年)の事故を契機に本格化しました。

横浜市は近隣住民や商店街関係者などとともに「生見尾踏切安全対策検討会」を立ち上げ、踏切を残す案も含めて複数案を検討してきました。

踏切を存続する案には、

  • 人の流れが変わりにくい
  • 商店街への影響が少ない

といった利点がある一方、

  • 用地取得が必要
  • 施工条件が厳しい
  • バリアフリー化に課題
  • 踏切事故リスクが残る

といった課題もあり、結果として横浜市が採用方向としたのが、「踏切を廃止し、代替施設として新たな跨線人道橋を整備する案」です。

平成29年には橋の位置を「踏切直上」から「踏切横(鶴見側)」へ変更し、工事中も踏切利用を継続する方針へ修正。令和元年には詳細設計も完了しましたが、鉄道施設の移設や地域理解の課題もあり、抜本対策は長期間にわたって進展してきませんでした。

過去に柏原も現地取材をしております。


横浜市の現在の方針──令和8年3月の説明会で示された内容

令和8年3月27日(金)・28日(土)に、岸谷小学校で「生見尾踏切の安全対策に関する説明会」が開催され、横浜市は改めて次の考え方を示しました。

「生見尾踏切を廃止し、代替施設として現在の踏切直上に新たな跨線人道橋を整備する」

新たな人道橋の概要は以下の通りです。

  • 幅員:4m
  • 南北に26人乗りエレベーター各1基
  • 自転車対応の斜路付き階段
  • 南側で既設人道橋と接続

説明会には計81名(27日31名、28日50名)が参加し、質問票も含めのべ49人の方からご質問・ご意見が寄せられました。

特に多かったのは、「市の閉鎖方針そのもの」に関するご意見だったとされています。


住民から出ている主な質問・懸念

説明会では、多様な声が寄せられました。主なものを整理します。

① 生活道路だから閉鎖しないでほしい

生見尾踏切は長年の生活動線であり、閉鎖による利便性低下を懸念する声が多くあがっています。

② 地域分断や商店街への影響が心配

踏切閉鎖により人の流れが変わり、生麦地域の回遊性や商店街への影響を心配するご意見もありました。

③ 自転車・ベビーカー・高齢者は本当に使いやすいのか

新たな人道橋の幅員やスロープ、自転車利用、エレベーター能力について、多くの具体的な質問が寄せられました。

④ 津波避難や災害時はどうなるのか

津波や災害時の避難動線として踏切を必要と考える声もあり、防災面からの懸念も出ています。


これらに対する横浜市の回答

横浜市はこれらの声に対し、以下の対応を進める考えを示しています。

  • 既設人道橋のスロープ化
  • 新人道橋の早期整備
  • 商店街支援の検討
  • 避難訓練等を通じた避難ルートの周知

また、「想定していない課題が生じた場合も、地域とともに解決に取り組む」としています。


私の所感──「安全か、利便性か」の二択ではない

長年使われてきた生活道路がなくなることへの寂しさや不安は、私自身も地元議員として、地域の皆様のお気持ちが痛いほど分かります。

一方で、5名もの方が命を落とされた現実と、4日に1回のペースで列車支障が発生している現実から目を背けて、現状維持を選ぶことが、本当に地域の未来にとって最善と言えるのか──ここは、冷静に考えなければならないと思っています。

ただし、これは「安全か、利便性か」という単純な二択ではありません。問われているのは、「地域の暮らしを守りながら、どう安全性を高めるか」という、よりきめ細かな政策設計だと考えています。

新たな人道橋の使いやすさ(エレベーター能力、自転車対応、夜間の安全性)、既設人道橋のスロープ化のスピード、商店街への影響緩和策、災害時の避難動線の確保──これら一つひとつが、住民の皆様に納得していただける形で具体化されることが、最低限求められる責務です。

維新としても、「決めたから進める」ではなく、市民の声を丁寧に聞きながら、現実を直視し、責任ある選択肢を共に考えていく姿勢が、政策運営の根幹だと考えています。


おわりに──説明と対話を、地域とともに続けていくために

生見尾踏切は、単なる交通施設ではありません。地域の生活、商店街、通学、そして日常の動線と深く結びついた場所です。同時に、繰り返される死亡事故という重い現実が積み重なっている場所でもあります。

だからこそ、横浜市による丁寧な説明と情報公開、そして地域との対話・理解形成が、これまで以上に重要になります。

私自身も、地元議員として住民の皆様の声を引き続き伺いながら、議会の場で必要な提言を続けてまいります。

📌 横浜市の公式情報(説明会資料・質問への市の見解)は、以下のページで公開されています。

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/doro/fumikiri/umio_setumeikai.html

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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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