横浜みどり税はどうして必要なのか?【横浜市長の見解】

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

私は11月7日に議案関連質疑に立ち、本会議場で同じく日本維新の会横浜市会議員団を代表して市長や副市長、教育長に対して質疑を行いました。

質問項目はこちらです。

この中で、今回は「横浜みどり税」に関する質疑のやり取りを掲載いたします。

横浜みどり税の概要については、こちらを参照ください。

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/y-shizei/midorizei/midorizei.html

議会議事録に関する位置づけ

今回、自動音声入力のデータを議会局より受領して、意味が伝わるように手元で校正したものですので、横浜市会議長が承認した公式な議事録ではない点にご留意願います。

公式な議事録は公開までに3か月程度要するため、議会での議論を文字として早期にお伝えするために、このように公開しております。なお、公式な議事録はこちらでご確認いただけます。

横浜市会会議録検索システム

http://giji.city.yokohama.lg.jp/tenant/yokohama/pg/index.html

横浜みどり税条例【質疑】     

 市第48号議案 横浜みどり税条例の一部改正について伺います。

横浜みどり税は平成21年の導入時から15年が経過し、現行の横浜みどり税は5年前の第四回定例会で議決がなされました。計3回のすべての議決において「行政改革を一層推進し、特に事務事業については、徹底した見直しを行うこと」という主旨の意見が付帯されています。

しかしながら、歳出は拡大する一方、歳入は歳出の伸びを補うほどには増加しておらず、行財政改革が実効性を伴っているのか疑問を持っている市民の方もおられます。だからこそ、平成21年以後の15年という既成事実に立脚して延長するのではなく、真に今この時点で、来年から5年間の超過課税が本当に必要なのかという点で議論されるべきと考えます。

一方で、過去の実績によれば、横浜みどり税の1年間の税収額はおおよそ28億円です。これは一般会計予算約1.9兆円と比較すれば、0.15%に過ぎません。このごく限られた収入にも関わらず、横浜みどり税の延長が提案されているとも言え、本当に事業や施策の取捨選択をしているのだろうかと疑問を持たれるのも無理はありません。

そこで、(1)行財政改革が十分にできれば横浜みどり税は延長せずに済んだのか、市長に伺います。

今回の横浜みどり税の発議は4回目です。これから審議を経た後に賛成多数で可決する場合に、仮に付帯意見として「歳出改革を一層推し進め、事務事業については見直しを図ること」と記したところで、また今後も超過課税が繰り返されるのではないかと危惧されます。

横浜みどり税は横浜みどりアップ計画が対象とする5か年の事業を目的とした財源ですので、当然5年後に見直しされるものと思いますが、5年後に急に事業規模が縮小されることも考えにくいと思います。

そこで、(2)今後も永続的に横浜みどり税を続けるのか見通しを市長に伺います。

横浜みどりアップ計画の財源のあり方に関して言えば、国費や市債に加えて一般財源を充当する際に、一部を横浜みどり税として超過課税を上乗せしている今の状況は例外的な対応であるべきです。

横浜みどり税を必要とする理由としていつも説明されるのが、「みどりアップ計画には安定的な財源が必要だ」との主張です。しかし、これは市民の税負担をより一層増やすことと同義ではないはずです。

そこで、(3)横浜みどりアップ計画は本来、横浜みどり税という超過課税の上乗せ無しに、一般財源で賄うべきと考えますが、市長の見解を伺います。

また、市長は様々な機会で「客観的なデータに基づいて選択と集中を行い、歳出改革を進める」という主旨の説明をされています。市長は就任して2年ですので、横浜みどりアップ計画の過去のデータ分析により、今後の見通しを立てる時間もあったと思います。

そこで、(4)次期横浜みどりアップ計画を見直すことにより、横浜みどり税の期間や税率を見直すことも可能と考えますが市長の見解を伺います。

市長の公約も改めて拝見させていただきました。そこには、「データや数値の分析によって事業を評価し、効果のない事業から撤退します」との改革の決意も示されており、これに期待をした市民の方もいると思います。

そこで、(5)より一層の改革を進め、5年後に延長しないことを選択肢としてお考えなのか市長の覚悟を伺います。

次に税の原則である公平性の観点から質問します。

中区や西区、鶴見区などの臨海部ではみどりアップ計画における3つの柱の内、1つ目と2つ目の柱である森や農業への税投入額がほとんどなく、事業対象となる資源がそもそも少ないのが実情です。

例えば、2019年~2022年の4か年における柱1「緑地保全制度による新規指定」の面積を確認すると、鶴見区が0.14haであるのに対して、旭区は42.5hであり、その差は約300倍です。だとすると、3つ目の柱である「身近な緑や花づくりの施策」は、公平性の観点からその分もっと拡充されてもよいのでは?と考える市民の方がいても不思議ではありません。

横浜の緑に関する市民意識調査においては、「暮らしのなかで緑や花にどのような役割・効果を期待していますか」との問いに、6割の人が「身近に触れることで心身の癒しとなる場」と答え、約半数の人が「ヒートアイランド現象の緩和などの都市の環境改善」と答えています。

これを踏まえれば、身近な緑が少なく、ヒートアイランド現象が顕著な臨海部にこそ都市環境や都市空間の改善策の一つとして緑に対するニーズがあると読み取ることができます。

そこで、(6)緑が少なくヒートアイランド現象が顕著な臨海部にこそ横浜みどり税を原資に施策を拡充すべきと考えますが、市長の見解を伺います。

本市は市域が広く人口も多いため、市政運営には全市的な視点が不可欠です。しかし、ニアーイズベターの発想で考えれば、区づくり推進費のように、各区に配分して何に使うのか決めてもらうことで、市民参加を促すこともできるのではないでしょうか。特別市を見据えた新たな区づくりの推進も併せて要望します。

横浜みどり税条例【市長答弁】     

 行財政改革と横浜みどり税の延長についてでありますが、付帯意見では、市民の皆様にご負担をお願いするにあたり、行政みずからも事務事業の見直し等に取り組むことにより、常に市民社会の要請に応える責任ある市政運営を進めるべきと示されたものと受け止め財政ビジョンを策定し、歳出改革に取り組んできました。

一方で、緑の取り組みは、社会情勢や財政状況に左右されずに継続的に取り組んでいく必要があり、その安定的な財源として、横浜みどり税の延長が必要であると判断しました。

今後の横浜みどり税についてですが、今回の条例改正では、緑の保全と創出に取り組むための安定的な財源として令和6年度から10年度まで5年間の横浜みどり税の課税期間等の延長を行います。

 緑の取り組みは、長期的な視点を持ちながら継続して実施する必要がある一方で、社会情勢等を踏まえ、取り組みの定期的な検証を図るため、計画期間を5年としております。

令和11年度以降については、事業推進の状況や様々なご意見を伺った上で、新ためて検討をすることになります。 横浜みどりアップ計画の財源は一般財源で賄うべきとのことですが、緑の保全と創出の取り組みを着実に進めるためには、安定的な財源により、樹林地の買い取りを始めとする標準的な財税負担を超える政策を実施しなければ、その実現は困難です。

みどりアップ計画の財源については、国費および市債を活用し、その残りのうち、一般財源を充当充当して、なお不足する額につきまして、横浜みどり税をご負担いただくものであります。

次期計画を見直すことで税の期間や税率を見直すことが可能であるとのことですが、令和6年度以降の計画案は、市民の皆様や有識者からの様々なご意見を伺いながら、これまでの樹林地買い取りの実績等を踏まえまして、次の5年間に必要となる事業を客観的に精査を指定事業費を積み上げました。その上で必要となる税率を判断したものであります。

一層の改革を進め、5年後に延長しないことも選択肢なのか、とのことですが、緑の取り組みは、長期的な視点を持ちながら継続して実施する必要がある一方で、社会情勢等を踏まえ、取り組みの定期的な検証を図るために、計画期間を5年としております。計画期間以降の取り扱いにつきましては、実績等を検証した上で、様々なご意見を伺いながら改めて検討を行ってまいります。

臨海部にこそ、横浜みどり税を原資に、背策を拡充すべきとの御指摘をいただきました。 横浜みどりアップ計画は、市内に残る貴重な緑の保全を根幹の取り組みとし、樹林地や農地の確実な担保の他、身近な緑地の推進などの事業にも緑税を活用しております。 引き続き、まちのシンボルとなる緑をつくる事業や、地域の皆様により、緑を創出する事業など、都心臨海部における取り組みを進めてまいります。

録画映像のご紹介

横浜市会での議会での質疑の様子はこちらからご覧いただけます。

https://gikaichukei.city.yokohama.lg.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=5840

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最後までご覧いただきありがとうございました。

柏原すぐる

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