「御幸森小学校跡地活用事業」視察報告:いくのパークがもたらす地域活性化の可能性

こんにちは。柏原すぐる(横浜市会議員・鶴見区選出)です。

郊外部再生・活性化特別委員会の委員として、大阪市生野区へ視察へ行きましたので、ご報告いたします。

いくのパーク(旧御幸森小学校)の正門で

いくのパークの様子は施設のホームページが分かりやすいです。


視察概要

1. 視察先
大阪府大阪市

2. 視察月日
8月23日(金)

3. 対応者

  • 生野区長(受け入れ挨拶)
  • まちづくり推進担当課長(説明者)

4. 視察内容

(1)御幸森小学校跡地活用事業について

ア. 背景
児童生徒数の減少により、生野区において小中学校の統廃合が検討された。平成28年3月策定の生野区西部地域学校再編整備計画に基づき、御幸森小学校の位置する生野区西部地域は4つの中学校区のブロックで「1中学校=1小学校」という方針が決まり、これにより小学校13校と中学校5校が小中学校合わせて8校に集約されることとなった。

イ. 事業概要
市長重点項目の施策として予算が計上され、生野区西部地域の学校跡地を核としたまちづくり構想といったビジョンが策定された。御幸森小学校については、令和3年に大阪市生野区役所が、御幸森小学校跡地活用事業に関する活用事業者募集プロポーザルを行い、株式会社REPTOWN(共同提案者:特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっと)が事業予定者として選定された。計画は、「いくのコーライブズパーク」(略称:いくのパーク)という名称で、「つなぐ」「まなぶ」「たべる」「はたらく」「つどう」「たのしむ」「つたえる」「まもる」という8つの包括的機能をもつ地域拠点というコンセプトとして令和5年5月3日にグランドオープンした。

ウ. 事業の特徴について
校舎等建物は定期建物賃貸借契約、建物敷地を除く土地については賃貸借契約により貸し付けている。貸付け期間は20年間で、貸付け料金は月額43万7800円である。生野区では特例として価格を固定し、提案内容によって事業者を選定した。

生野区役所会議室における説明聴取及び質疑の様子

エ. 質疑概要

  • Q: 生野区西部地域の学校跡地を核としたまちづくり構想策定段階から事業展開においてどのような変遷があったか。
    A: みんなの学校会議や参画エントリー会議を実施し、地域の意見を反映させる場を設けるなど、ビジョンづくりと機運醸成を同時に行った。「まちづくり構想」は、学校跡地検討会議を立ち上げ、個別の地域要望を聞いた上で、構想を全体的に包含するものとして進めた。そのため、個別の構想で描いたケーススタディどおりに進んでいない部分もある。また、建物に関して、既存不適格な部分の修繕工事等により工事費の支出が想定よりも多かった。
  • Q: 民間事業者から見た事業の継続性はあるのか。
    A: 他の学校を賃借したインターナショナルスクール等ではビルに入居するよりも優位性があったようである。御幸森小学校跡地活用事業では地域利用とのバランスを取りながら収益事業が行われている。事業者はNPO法人であるため、日本財団などのから資金が入っている状況であるため、基金の創設など対策も検討する必要がある。
  • Q: 本事業の他行政区への展開など、汎用性のあるスキームや仕組み、フローなどはあるか。
    A: 住民、民間双方からは提案を重視してほしいという意見があった。そこで、賃料を固定化した。ただし、生野区だけだということを伝えている。他区では、事業提案で事業者を絞り込むものの、価格提案により事業者を決定している。大阪市でも民間企業に貸し出した例は現在もない。

(2)委員所見

今回の御幸森小学校跡地活用事業を、人口減少や少子化といった大きな社会トレンドによる公立小中学校の再編という枠組みの中で、小中学校18校を8校に集約するという大胆な計画の一つとして視察できたことは大変有意義であった。

1校が廃校になるということの地域に対するインパクトは大きく、様々な自治体が住民や児童生徒の希望と財政上の課題あるいは行政の効率性などの要求との間で苦労している。そうした中で、大阪市としては、教育委員会区担当次長を兼務する区長が全小中学校へ説明に出向くなど、教育委員会と区役所とが連携して、前例のない公立学校再編の事業を進めてきたという事実から学ぶべき点は多いと感じた。

また、御幸森小学校跡地活用事業は廃校後にリニューアルオープンした「いくのパーク」の運営においては、地元の多文化共生に取り組んできた団体が加わった事業体において実施されるなど、生野区の特性やカルチャーと調和した事業推進ができているものと理解する。

今後、本市においても市内で廃校となる学校が見込まれることから、地域の核である学校が防災や地域活動の拠点だけでなく住民にとってのシンボルとも言える拠り所である点も踏まえ、こうした事例を参考にしながら、持続的に地域の活性化が図れる事業展開を進めていくことが重要である。


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最後までご覧いただきありがとうございました。

日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会

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